真中満が選ぶヤクルトリーグ連覇の "陰のMVP"は? 「ヤクルトの強さは本物」だが、CSは「阪神が不気味」 (2ページ目)
髙津監督の我慢度が「10」なら、僕は「5」か「6」
ーー打撃陣に関しては「村神様」のさらなる覚醒と、山田哲人選手の不振が印象的でしたが、真中さんはどう見ていますか?
最初に言ったように、村上に関してはすでに「別格」という存在感を誇っています。本来ならば、そこに山田も加われば無敵なんだけれども、山田の調子が上がらない時にはホセ・オスナ、ドミンゴ・サンタナの両外国人、塩見泰隆がうまくカバーしたと思います。
「誰かが調子が悪い時には、他の誰かがカバーをする」という強いチームの戦い方ができていたし、シーズン終盤を除いて、全員の調子が悪かったという時期が少なかったのも大きかったですね。
ーー打撃陣では、ショートのレギュラーポジションを獲得した3年目の長岡秀樹選手の躍進も目立ちました。
アベレージは0.241だったけれど、8番打者で48打点は立派でしたね。これは相手からしたら、すごく厄介だったし、チームとしてはすごく頼りになる存在でした。投手では、昨年0勝の木澤が55試合を投げて9勝したように、昨年からの上積みとして、長岡と木澤、このふたりの存在は大きかったと思います。
ーー7月9日には、髙津臣吾監督をはじめとして、多くの関係者がコロナに感染していることが判明しました。ここからは苦しい戦いが続きましたね。
後半に関しては打撃陣が不振に苦しんだり、先発投手が早々に捕まったりして、苦しい戦いが続いたけど、髙津監督のなかでは、それも想定内だったと思いますね。序盤の大量貯金があったから、8月の苦しい時期でも投手陣に無理をさせなかった。
僕からしたら、「ここは交代だろう」「もうちょっと早めの継投をしたら?」と思うこともあったけど、髙津監督は、その先の9月を見据えていました。長いプランで見ていた髙津監督の勝利だと思いますね。
ーー仮に「真中監督」だとしたら、もう少し早めの継投となっていましたか?
もちろん、試合展開とか連投度合いにもよるけど、髙津監督の我慢度を「10」だとしたら、僕は「5」か「6」程度ですよ(笑)。清水昇、スコット・マクガフが年間を通じて活躍できたのは、こうしたマネジメントがあったからだと思います。
ーー清水投手は、昨年は72試合に登板したものの今季は50試合、マクガフ投手も、昨年は66試合でしたが、今年は55試合と休養を取りながらの起用となりました。
もちろん、先ほど名前を挙げた木澤や、33試合を投げたA.J.コール、29試合の久保拓眞など、昨年とは違う新たな顔触れが頑張ったことも大きいし、髙津監督を中心としたチームマネジメントが成功したと言えるでしょうね。
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