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高松商・浅野翔吾を必要としている球団はどこか? チーム事情から獲得戦線に浮上するのはこの2チームだ! (2ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • photo by Ohtomo Yoshiyuki

原監督が求める「強い選手」に合致

【Bランク】ヤクルト、DeNA、巨人、広島、オリックス

 ヤクルトの野手陣は、あと数年は安泰と言えるだろう。2020年オフに山田哲人と7年の長期契約を結び、「村神様」こと村上宗隆が覚醒したことで、何がなんでも強打者を押さえる必要はなくなった。

 裏を返せば、焦らず次世代の主役を育成できる環境とも言える。また、ヤクルトは名打撃コーチとしても名を馳せた中西太に薫陶を受けた打撃コーチが多く、強打者を次々と開花させてきた歴史がある。「令和の中西太」を育てるには、最適の環境かもしれない。

 DeNAは近年のドラフトで獲得した牧秀悟が球団の顔になり、森敬斗は故障に苦しみつつも近未来のリードオフマンに成長してくれるイメージが湧く。補強ポイントの優先順位は即戦力投手や捕手にありそうだが、和製大砲候補の細川成也が足踏みする悩ましい側面もある。若手外野陣の競争を促進する起爆剤として、浅野に白羽の矢が立っても不思議ではない。

 巨人は今季リーグワーストの防御率3.89(8月28日現在/データは以下同)、と、投手陣に課題が山積み。上位指名で投手を獲得するのは確実だろう。とはいえ、今季7人の投手がプロ初勝利を挙げたように、若い芽が育ってきているプラス材料もある。それゆえ、むしろ次世代の野手のスター候補を求めたほうがいいという考え方もあるだろう。25歳以下の右打ちの外野手は育成選手しかいないというチーム内バランスの問題もある。原辰徳監督が求める「強い選手」という選手像にも浅野は合致する。

 同様に広島もチーム内のバランスから「次代を担う右の強打者」は補強ポイント。ただし、現時点では秋山翔吾の加入もあって外野陣は飽和状態で、是が非でも浅野を欲する状況でもない。大砲候補に関しては体格を重視するスカウティングの傾向もあり、浅野が広島スカウトの「好み」から外れる可能性はある。

 杉本裕太郎の不振など今季は貧打に苦しむオリックスも、強打者はのどから手が出るほど欲しい。とはいえ、投手も野手も若いレギュラーや将来大化けしそうな逸材が多く、急速な弱体化はイメージできない。強いて言えば、次世代の中軸候補が手薄に見えるため、浅野の獲得に走る可能性はあるだろう。

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