高松商・浅野翔吾を必要としている球団はどこか? チーム事情から獲得戦線に浮上するのはこの2チームだ! (3ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • photo by Ohtomo Yoshiyuki

西武には「生きた教材」が...

【Aランク】阪神、西武

 チーム事情にマッチし、かつ本人の資質に合いそうなのは阪神と西武だ。

 阪神はチーム防御率2.55とリーグナンバーワンの投手陣を擁する。岩崎優が代役を務めた守護神に不安が残るものの、この大事な役割を新人で補おうと考えるべきではないだろう。才木浩人、西純矢、森木大智ら次代を担う若手も順調に成長している。

 また、阪神という特殊な球団は激しい毀誉褒貶に耐えうるメンタリティーの持ち主でなければ、長期間にわたって活躍するのは難しい。その点からも精神的に図太く、大舞台で結果を残した浅野は頼もしい。やや停滞気味の高卒3年目の大砲候補・井上広大と刺激し合えれば、阪神の近未来は明るい。

 西武は二塁手の外崎修汰がFAとなり、流出に備えたいところだが、それ以上に外野に突き抜けた柱が必要だろう。数年後には外野レギュラーの一角を担える存在として、触手を伸ばす可能性は十分にある。

 また、浅野にとっては「生きた教材」を間近で見られるメリットもある。「ボールに対してバットをタテに入れて、バックスピンをかける」という浅野の打法は、中村剛也の動画を参考にしている。来季まで契約の残る中村から浅野へと技術を伝承できれば、強打者の系譜は生き続ける。

 浅野は甲子園大会終了後、侍ジャパンU−18代表に選出された。国際舞台でも「脅弾」を放ち、アピールに成功すればドラフト戦線はさらに揺れ動くだろう。浅野翔吾の運命はどこへ向かうのか。プロ野球ドラフト会議は10月20日に開かれる。

3 / 3

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る