元巨人・村田真一が「これぞエース」と唸ったライバル球団の5人。「太く短い野球人生は強烈なオーラを放っていた」 (2ページ目)

  • 水道博●文 text by Suido Hiroshi
  • photo by Sankei Visual

山本昌(元中日)

 私は捕手出身で、現役引退後はヘッドコーチを務めたせいか、「エースの条件」として、まずイニング数を重視します。私の現役時代は130試合制で、25試合に先発、7イニング投げたとして175イニング。それを上回るイニング数を投げたピッチャーがエースと考えます。

 私の現役時代、中日は山本昌投手と今中慎二投手の、左腕ダブルエースでした。「10・8決戦」を戦った1994年、山本昌投手は19勝を挙げて最多勝を獲得しました。

 山本昌投手の球は、球速表示はそこまで出ていないのですが、体全体を使って投げてくるためボールに力がありました。そして山本昌投手と言えばスクリューボール。いくら頭のなかでインプットしていても、いざ投げられると仕留められない。まさに「伝家の宝刀」でした。

 スクリューボール以外の球も絶品で、打席のなかで常に「次は何がくるのだろう......」と考えさせられる投手でした。

 最多勝には3度輝いており、通算219勝は伝説の大投手・杉下茂さんを抜いて中日歴代トップです。そしてなによりすごいのが50歳まで投げ続けたこと。中日だけでなく、球界を代表するエースでした。

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