谷繁元信が注目する若手3人。真っ先に出たのは、前田健太も絶賛して話題になった19歳 (2ページ目)

  • 中島大輔●取材・文 text by Nakajima Daisuke
  • photo by Jiji Photo

2018年ドラ1根尾の評価は?

 真っ先に挙げた髙橋のほかに、期待する選手は誰か。そう聞くと、谷繁氏は「ドラゴンズの選手ばかりになっちゃうんですよね」と笑みを浮かべ、石川昂弥と岡林勇希の名前を口にした。OBという立場をさておき、両打者にはそれくらい可能性を感じさせられるという。

「岡林は自分がどういうバッティングをすればこの世界で生きていけるかを、ほぼわかっている選手だと思います。打席でのしぶとさを含め、そういう姿勢が伝わってきますね。カウントが悪くなったら逆方向にゴロを打ち、ツボにハマったらしっかり振れる力もある。守備も肩もいいし、足も速い。バランスの取れた選手だと思います」

 2019年ドラフト5位で菰野(こもの)高校から入団した左打者は昨年終盤、一軍昇格してバットコントロールの巧みさを披露した。今年のオープン戦では打率.316を記録しており、リードオフマンに抜擢される可能性もある。

 一方の石川は、2019年ドラフト1位で地元の東邦高校から入団した大砲だ。同じ右打者の石川に対し、谷繁氏の期待も大きい。

「ツボにハマったら長打を打てる右バッター、というところが楽しみです。最近、右で長打を打てる野手はなかなか出てきていないので。石川が成長をしてくれると、打線も組みやすくなると思います」

 高卒1年目の2020年は14試合で打率.222に終わり、昨年はウエスタン・リーグで左手を骨折したこともあって一軍での出場機会はなかった。

 今年のオープン戦では58打数で打率.224、1本塁打、15三振と荒さも目についたものの、立浪監督はサードのレギュラーとして起用する方針を明かしている。もともとホットコーナーにいた高橋周平をセカンドにコンバートしており、石川の活躍はチームの浮沈を左右すると言っても過言ではない。

 中日の高卒野手と言えば、気になるのが2018年ドラフト1位の根尾昂だ。外野手で起用される今季はオープン戦で打率.304を残したが、ライトには岡林がいる。根尾の起用法について、谷繁氏はどう見ているだろうか。

「レフトは可能性があるかもしれないですね。あるいは岡林をセンターに持っていって、大島がレフト、ライトに根尾を入れる。いずれにせよ、根尾がどれだけ打てるかだと思います」

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