谷繁元信が注目する若手3人。真っ先に出たのは、前田健太も絶賛して話題になった19歳

  • 中島大輔●取材・文 text by Nakajima Daisuke
  • photo by Jiji Photo

プロ野球2022開幕特集

 栗林良吏が広島の守護神として抜群の安定感を発揮し、牧秀悟がDeNA打線で打棒を炸裂させ、左腕・伊藤将司が阪神の先発ローテーションで回ってふたケタ勝利を飾り、同じく阪神の中野拓夢が盗塁王に輝くなど、昨年のセ・リーグではルーキーたちが大活躍した。

 さらに20年ぶりの日本一に輝いたヤクルトでは、高卒2年目の右腕・奥川恭伸が7戦連続で与四球ゼロの好投を見せ、頂点まで駆け上がる原動力となっている。

2020年ドラ1で指名され、吉見一起の背番号19を引き継いだ髙橋宏斗2020年ドラ1で指名され、吉見一起の背番号19を引き継いだ髙橋宏斗この記事に関連する写真を見る「今のセ・リーグは、ひとり、ふたりの選手が台頭することで、コロッと変わるくらい均衡しています。今年活躍を楽しみにしている選手がいるチームを、僕はAクラスの予想に挙げました」

 そう話したのは、元中日の監督で解説者の谷繁元信氏だ。特に活躍を期待している選手を3人挙げてもらうと、真っ先に挙がったのが2020年のドラフトで最も注目を集めたひとりだった。

「髙橋宏斗です。1年目の昨年は右ひじの張りもあり、実質今年からですね。春季キャンプのブルペンや実戦登板を見ると、投げる姿がよく、表情も自信に満ちている。真っすぐは速く、変化球もちゃんとストライクゾーンに投げ込めるし、バッターを攻め込む投球スタイルもできます」

 中京大中京高校時代に名を馳せた髙橋は、最速155キロのストレートを誇り、変化球はカットボール、スライダー、ツーシーム、カーブを持ち球としている。昨年はウエスタン・リーグで14試合に登板、一軍で投げる機会はなかった。それでも素材は超一級品で、このオフには前田健太(ミネソタ・ツインズ)が絶賛して話題を呼んでいる。

 中日は開幕投手を務める大野雄大、昨季の最優秀防御率&最多奪三振の柳裕也、高卒6年目の昨年初めて規定投球回に達した左腕・小笠原慎之介らハイレベルな先発投手を擁すなか、注目されるのが起用法だ。2016年まで中日を率いた谷繁氏は、"監督目線"でこう見ている。

「先発で使っていくと思います。育てないといけないですし、それだけの素質を持っているので。心配なのはケガだけですね。ローテーションの組み方は、去年の奥川や佐々木朗希(ロッテ)みたいに『中10日』という形になるかもしれない」

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