又吉克樹を獲得したソフトバンクGMに聞いた。FAでは「高値であっても確実に獲りにいく場合もある」 (2ページ目)

  • 中島大輔●取材・文 text by Nakajima Daisuke
  • photo by Jiji Photo

【僕らは世界一を目指している】

 今季の平均年俸を球団別に見ると、ソフトバンクは9411万円で12球団最多。2位は巨人で7585万円、3位は楽天で6384万円。11位は日本ハムで3827万円、最下位は広島で3820万円だ(『週刊ベースボール』2022年2月7日号より。同年1月18日時点のデータで、契約未更改選手は前年の年俸で算出)。

 ホークスは2021年日本市場総資産ランキング12位(『strainer』より)のソフトバンクという親会社に支えられる一方、独立採算制だ。ペイペイドームを拠点に独自でビジネスを回しながら、NPB最高峰の規模で運営している。

 今季の外国人選手では、MLBで実績のある内野手フレディ・ガルビス、右腕タイラー・チャトウッドを新たに獲得。昨季途中に家庭の事情で退団した右腕コリン・レイと再契約し、キューバ出身の左腕リバン・モイネロ、右打者のアルフレド・デスパイネ、ジュリスベル・グラシアルと契約延長を果たした。

 こうした大型補強の先には、球団として見据える"野望"がある。

「率直に言うと、僕らは世界一を目指しています」

 NPB球団がどのように"世界一"を成し遂げるのか。三笠GMはこう説明する。

「世界一決定戦をやって勝つ、ということです。日本のプロ野球は事業規模で見ると世界で2番目のリーグで、MLBを目指すのは当たり前の話。可能性は十分にあると思います。クラブ世界一決定戦は実現したことがないのに、NPBはMLBより下であるという考え方をする必要はないと思います」

 現状の市場規模は、NPBが1500〜2000億円に対し、MLBは1兆円を超える。マーケットの大きさは選手年俸にも反映され、今オフ、37歳の最強右腕マックス・シャーザーはニューヨーク・メッツと3年総額1億3000万ドル(約148億円)で合意した。単年平均にすると、約50億円でMLB史上最高額だ。

 また、ソフトバンク時代に年俸1億5000万円だった右腕投手ニック・マルティネスは今オフ、サンディエゴ・パドレスに4年総額2000万ドル(約22億6000万円)で移籍している。

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