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楽天・早川隆久の驚くべき投球理論と言語化力。「すごくマニアックな話になりますよ」 (4ページ目)

  • 中島大輔●取材・文 text by Nakajima Daisuke
  • photo by Jiji Photo

 一方、体調は毎日変化し、気候や湿度など置かれる環境も異なるため、「再現性」は容易ではない。パフォーマンスを一定させるには、自身の変化に気づけることが重要になる。

 そこで早川が重視するのは、日々のルーティンだ。

「朝起きてシャワーを浴びて、ご飯を食べてから同じストレッチを毎日行なって、どこが悪いかを確認し、ここが硬いならここの機能を上げようとエクササイズをして、体のコンディションを戻す。それでも悪かったら、外的な要因か、内的な感情から来ているのかを考えます」

 グラウンドでは同じストレッチでコンディションを整え、決まったウォーミングアップを実施する。そしてキャッチボールで感覚を確かめるのが日々のルーティンだ。こうした方法を大学時代に習慣化できたのは、テレビで目にした情報がヒントになった。

「(元陸上競技選手でタレントの)武井壮さんが、部屋の気温や湿度をすごく気にしているという話をしていました。それらを一定にすることで、コンディションを整えられると。だったら、毎日同じストレッチをしたら新たな気づきがあるのでは、と思いました」

 普段からアンテナを張り巡らせながら情報を得て、試行錯誤して自身の血肉とする。そうした姿勢が根底にあるからこそ、早川は卓越した投球メカニクスとコンディショニングに行き着いた。

◆山本昌が早川隆久のフォーム論に驚き「40歳で気づいたことを22歳でしている」>>

 非凡な能力を発揮しているプロ1年目。6月に少し早い夏休みをもらうと、早川は"自由研究"を行なった。テーマは、プロで活躍するための投球術だ。

「離脱した期間で、低めのピッチトンネルをどうやってうまく使うかを考えました。プロのバッターになると高めのボールは弾き返されてしまいますし、下への変化を使えるピッチャーがメジャーでも活躍しています。いかに低めのカットボールを追っつけてもらうか。バッターが低めに目をつけていたところでカーブが急にポンと高めに浮いたら、なかなか手が出にくくなると思います」

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