村上宗隆か鈴木誠也か、侍ジャパンの４番をラミレスが考える。「相手国の投手陣を考えれば有利に働く」 (3ページ目)

【「本物中の本物」の村上が４番起用されるかも？】

――それはどういうことでしょうか？　具体的に教えていただけますか？

ラミレス　相手国の投手陣を考えてみれば、鈴木誠也のようなタイプは有利だと思うからです。つまり、スピード勝負というのか、ハードなストレートをどんどん攻めてくるタイプのピッチャーが多いはず。鈴木ならば力のあるストレートに打ち負けることはない。もちろん、それは村上も一緒ですけど、特に鈴木の場合には有利に働くと思います。

――なるほど。確かに国際大会ならではの戦い方というのも重要になってきますね。

ラミレス　これは４番バッターの話からは逸れてしまうけれど、これまでの大会を見ていると、海外の投手の場合あまりクイックが上手ではなかったり、そもそもそんなに意識していなかったりしています。そうなると、その隙を突いて盗塁したり、足を絡めた攻撃をしたり、相手の弱点を突く攻撃が重要になるし、それは侍ジャパンが勝利するための重要なポイントになると思いますね。

――そうなると、繰り返しになりますが、侍ジャパンの４番は鈴木選手で、近い将来には村上選手が４番を務めるのが理想ということになるでしょうか？

ラミレス　そうですね。東京五輪は鈴木がいいと思います。村上は今年の大会で経験を積んで国際大会に慣れることで、近い将来に侍ジャパンの４番を任せられる存在になると思います。さっきも言ったけれど、僕が侍ジャパンの監督だったら、間違いなく村上を４番で使いたい。彼ならば、押し寄せるプレッシャーにも打ち勝てるような気がします。でも、今回は４番ではない打順で金メダル獲得に向けてチームのために働いてほしい。

――村上選手については大絶賛ですね。

ラミレス　彼がプロ２年目の沖縄・浦添キャンプの時に、（対戦相手の監督として）初めて村上のことを注意深く見ました。最初に感じたのは「とにかく目がいい」ということ。本物の選手ならではのいい目をしていました。その試合で村上に高めのボールを完璧にホームランにされましたが、その時に「本物のレベルの選手だな」と感じて、実際にそうなりましたからね。オリンピックで村上が何番を任されるのかはわからないけど、４番で起用してもらうことも期待しつつ、本番を待ちたいと思います。