ラミレスがセ・パのCS進出チームを予想。各球団の戦力も分析、好調なあのチームの弱点とは?

  • 長谷川晶一●取材・文 text by Hasegawa Shoichi
  • photo by Sankei Visual

ラミレスが語る交流戦の振り返りとリーグ展望 後編 前編から読む>>

【阪神の勢いは今後も止まらない】

――前回お話していただいた交流戦の結果を踏まえ、今回はペナントレース再開後の展望について伺いたいと思います。まずはセ・リーグについてお尋ねします。交流戦も2位で終えた阪神は首位を快走していますね。

ラミレス 阪神の勢いは止まらないでしょう。開幕前に、僕は「阪神優勝」を予想し、交流戦では「2位になる」と予想しましたけど、このまま独走して優勝する可能性はかなり高いと思います。

ルーキー佐藤輝明などの活躍で交流戦を2位、リーグ戦では首位を走る阪神ルーキー佐藤輝明などの活躍で交流戦を2位、リーグ戦では首位を走る阪神この記事に関連する写真を見る――その根拠は何でしょうか?

ラミレス 強いチームの条件は、「いいクローザーと、不動の正捕手がいること」だと僕は考えています。阪神の正捕手に梅野隆太郎がいて、クローザーにはロベルト・スアレスが控えています。また、ルーキーの佐藤輝明の活躍が期待以上で、大山悠輔が離脱している間も大きなダメージがなかったのに、その大山も戻ってきた。ジェリー・サンズ、ジェフリー・マルテの両外国人も絶好調。投手陣はもともと駒が揃っていますから、まったく隙のないラインナップです。

――交流戦で3位だったDeNA、4位の中日は、その勢いをペナントレースでも生かせるでしょうか?

ラミレス DeNAは、交流戦の勢いでそのまま上位浮上と言いたいところでしたが、残念ながら投手陣がちょっと弱い。特に先発投手陣がかなり手薄で、そのしわ寄せがリリーフ陣にきている。そんな状態では、上位を狙うのは難しいと思いますね。一方の中日はかなりチーム状態がいいと思います。

――その理由を具体的に教えてください。

ラミレス 先ほど言った絶対的なクローザーとして、キューバ代表としてオリンピック予選を戦っていたライデル・マルティネスはまだ一軍に合流していませんが、交流戦で大活躍した又吉克樹の調子がいいこと。常時試合に出る捕手の木下拓哉がしっかりと働いていることが大きいですね。柳裕也や大野雄大など先発ローテーションが確立していることも好材料です。

 さらに、絶対的な4番であるダヤン・ビシエドが、調子が上向いた状態でペナントに入れたこと。広いバンテリンドーム(中日のホームスタジアム)での戦いを熟知していること......。上位に進出できる要素はたくさんあります。

――交流戦前は4位で、リーグでも現在は4位ですが、Aクラス入りも十分あり得ると。

ラミレス 現在Aクラスのヤクルトより上位に行くと思いますね。ひょっとしたら、巨人を抜いて2位ということも十分に考えられます。

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