ラミレスが交流戦でセ・リーグ勝ち越しの要因を分析。「もっとも三冠王に近い」と見た選手は?

  • 長谷川晶一●取材・文 text by Hasegawa Shoichi
  • photo by Sankei Visual

ラミレスが語る交流戦とリーグ展望 前編

【DeNA、中日、オリックス好調の要因は?】

――今年の交流戦はセ・リーグが善戦し、通算でセの49勝、パの48勝、引き分けが11試合という結果に終わりました。セ・リーグは12年ぶりの勝ち越しでしたが、ラミレスさんは今年の交流戦について、どのような感想を持ちましたか?

ラミレス 全体的に見応えのある交流戦でした。トータルではセ・リーグが勝ち越しましたけど、その要因としては、オリンピック予選やケガなどで、ソフトバンクをはじめとするパ・リーグは外国人選手が欠けているチームが多かったことも影響していると思います。あと、セ・リーグの打者がきちんとパ・リーグ投手陣のインコース攻めに対応できていたのがよかったですね。

リーグでは最下位も、交流戦で3位と奮闘したDeNA。(左から)大和、オースティンら打撃陣の活躍が目立ったリーグでは最下位も、交流戦で3位と奮闘したDeNA。(左から)大和、オースティンら打撃陣の活躍が目立ったこの記事に関連する写真を見る――試合を見ていて、対応策は感じられましたか?

ラミレス セ・リーグの各打者は力強いスイングをして、決して振り負けていなかった。トップタイとなるホームラン7本を打った選手は、タイラー・オースティン(DeNA)、村上宗隆、山田哲人(共にヤクルト)、岡本和真(巨人)とセ・リーグの打者ばかりでした。

――交流戦の勝敗表を見ると、オリックスが1位、DeNAが3位、中日が4位、ヤクルトが5位と善戦したのが目立ちますね。

ラミレス 12球団をペナントレースのように上位6チームをAクラス、下位6チームをBクラスとした場合、オリックス、DeNA、中日がAクラスとなった一方、ペナントでは上位の巨人が9位、ソフトバンクが11位とBクラスに沈んだのも意外でした。

――あらためて、DeNA、中日の躍進の要因を教えていただけますか?

ラミレス DeNAに関して言えば、交流戦のチーム打率が12球団トップの.297と絶好調だったのが大きかったですね。ただ、逆にチーム防御率は4.90とワースト2位。これで9勝6敗3分と3つも貯金を作れたのは、単純に打つべき時にしっかり打って、相手に打ち勝ったということ。その中心となったのはネフタリ・ソトとオースティンでしたね。

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