村上宗隆か鈴木誠也か、侍ジャパンの4番をラミレスが考える。「相手国の投手陣を考えれば有利に働く」

  • 長谷川晶一●取材・文 text by Hasegawa Shoichi
  • photo by Sankei Visual

【日本一の4番バッターは村上宗隆】

――今夏に控えた東京五輪。侍ジャパンメンバー24名が発表されました。その内訳は、投手11名、捕手2名、内野手6名、外野手は5名という構成です。今回、ラミレスさんに伺いたいのは「侍ジャパンの4番は誰か適任なのか?」ということです。

ラミレス 4番はチームの中心なので、非常に重要な存在となります。僕の頭の中には以前から3人の選手が浮かんでいました。

侍ジャパンでの活躍が期待される、ヤクルトの村上(左)と広島の鈴木(右)侍ジャパンでの活躍が期待される、ヤクルトの村上(左)と広島の鈴木(右)この記事に関連する写真を見る――その3選手とは、誰でしょうか?

ラミレス ヤクルト・村上宗隆、広島・鈴木誠也、巨人・岡本和真です。残念ながら、岡本は今回の代表入りは果たせなかったけれど、僕はこの3人の誰であっても、日本代表の4番を任せられると思っています。

――岡本選手は一塁、三塁を守れますが、まったく村上選手とポジションがかぶります。走力面や出塁率の高さなどを考慮して、村上選手が選ばれたのでしょうか?

ラミレス そうした理由もあるかもしれませんが、岡本はパワーは申し分ないけれど、「絶対にストレートに振り負けない」というタイプではないですね。国際大会の場合、8割程度はストレートで攻めてくる傾向があるので、そういう面で代表落ちしたのかもしれないですね。

――残念ながら岡本選手は代表入りしませんでしたが、あらためて村上選手、鈴木選手に4番を任せたい理由を教えてください。

ラミレス まず、鈴木誠也から説明しましょう。彼の場合は、すでに代表経験が豊富であるという点が最大の長所です。国際大会は独特の緊張感、プレッシャーに包まれるものです。それは、通常のペナントレースの比ではない。そういう大舞台を経験しているかどうか。それはかなり重要な問題だと思いますね。そういう意味では、すでに何試合も経験している鈴木が有力かなという気がします。

――鈴木選手は代表経験が豊富で、まだ21歳の村上選手はその点では劣りますね。

ラミレス 正直に言えば、「オリンピック」ということを抜きにして、「誰が日本一の4番バッターか?」と尋ねられたら、僕は迷わず「村上宗隆だ」と答えます。それぐらい、現在の彼の実力、そしてここまでの実績は群を抜いていますから。彼は本物中の本物だし、現役選手の中でも、もっとも三冠王に近い存在です。交流戦を総括した時にも言いましたが、今シーズンも50本塁打を狙えるし、松井秀喜さんクラスの選手になれると思っています。

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