元阪神ドラ１・伊藤隼太が語る今季の覚悟。「自分の野球に決着をつける。シーズンが終わった時にどういう景色が見えているか」 (2ページ目)

ーー阪神時代にも若手選手に同じようなアドバイスをする機会もあったと思いますが、やはりその時と状況は違いますか？

伊藤　違いますね。阪神時代はそういった話をしても僕自身がコーチの肩書きを持っていたわけではありませんから。でも今、自分に「コーチ」という肩書きがついていることで、選手たちが頼ってくれるし、いろんなことを聞きに来てくれる。

　僕自身も頼られる存在になるべきだと思いますし、現在は（ケガで）プレーができていませんが、コーチ兼任選手として実際のプレーも見せることができるので、今は選手たちにより伝えやすい立場にあるとは感じています。

ーー伊藤コーチ自身も選手たちに教えたり、独立リーグの野球を知ったりして、野球観が変わりましたか？

伊藤　何をもって「野球観」というのかはわかりませんが、僕の中では「こういう野球もあるんだな」と思えたことは確かです。独立リーグには独立リーグで勝つことの難しさを感じますし、NPBとは違った戦略的な部分も考えさせられます。

　自分自身のプレーや視野についても、これまでは自分のことを一生懸命に突き詰めようとやってきたんですが、自分の時間の一部を、人を見る時間に変えたことで、今まで見えていなかった部分に気づくことがありました。