【WBC 2026】森下翔太が語る大谷翔平らメジャー組と並んで見えた侍ジャパン熾烈競争の真実「まだ劣っているけど、手応えも」
第6回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で連覇を目指す侍ジャパンが、中日との強化試合初戦を終えた2月27日深夜。試合終了から約1時間半が過ぎ、日本代表の選手たちが宿泊する名古屋市内のホテル前をタクシーで通りかかると、ファンと思われるおよそ100人が外に集まっていた。
「こんなところに出てくるはずもないのにね」
運転手はそうこぼしたが、待ち続ける人たちも、そのことは十分にわかっているはずだ。遭遇できる確率は奇跡的に低いとしても、ほんのわずかな可能性にかけたくなる。それこそが、スーパースターたるゆえんなのかもしれない。
バンテリンドームでの打撃練習、笑顔を見せる大谷翔平 photo by Sankei Visualこの記事に関連する写真を見る
【圧倒的打撃を披露したメジャー組】
「指名打者、背番号16、大谷翔平──」
バンテリンドームで行なわれた2月27、28日の強化試合では、試合前の整列時に大谷を紹介するコールが場内を大いに沸かせた。MLBの規定によりメジャーリーガーが出場できないことは誰もが承知していたが、それでも両日の主役は、間違いなく大谷だった。
プレーボール約1時間半前、ファンはもちろん、両チームの選手や首脳陣までもが固唾をのんで見守ったのが、大谷の打撃練習だった。
「すごいです」
定位置のショートで見守った源田壮亮は、感動をシンプルに表わした。
「見ていて楽しかったです。前回(2023年WBC)よりすごくないですか? 球場に出てきた時の歓声とか、前回よりすごいなって」
源田と一緒にショートから見ていた井端弘和監督も、大谷の打球に見入っていた。
「やっぱり初速、打球が当たった瞬間の初速はすごいなと思いました」
バットから「カン!」という乾いた音が鳴り響くと、数秒でスタンドに打球が突き刺さる。
「行った!」
「エグっ!」
「ヤバっ!」
三塁側スタンドの記者席から見ていると、場内のあちこちから観客の感嘆の声が上がってきた。大谷にとっては、3月6日に初戦を迎えるWBCへ向けた調整にすぎないが、ファンにとっては、それは壮大なショーにほかならなかった。
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著者プロフィール
中島大輔 (なかじま・だいすけ)
2005年から英国で4年間、当時セルティックの中村俊輔を密着取材。帰国後は主に野球を取材。新著に『山本由伸 常識を変える投球術』。『中南米野球はなぜ強いのか』で第28回ミズノスポーツライター賞の優秀賞。内海哲也『プライド 史上4人目、連続最多勝左腕のマウンド人生』では構成を担当。


















