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桑田真澄が名を挙げた「巨人の星」は誰か。「一流ピッチャーの条件」も語った (3ページ目)

  • 石田雄太●文 text by Ishida Yuta
  • photo by Koike Yoshihiro

── 桑田さんはこれまで球数制限の導入を積極的に訴えてきましたが、ジャイアンツでは先発陣には完投を目指してほしいとおっしゃっています。

「僕が球数制限を取り入れるべきだと訴えてきたのは選手がまだ成長期にある学童野球、中学野球、高校野球の話です。プロの選手は身体もできあがっていますし、むしろプロ野球で先発を任されるようなピッチャーなら、完投するためにどうするかを考えるべきだと思っています」

── 完投できるようなピッチャーになるためには何が必要になってくるんでしょうか。

「たとえば一日おきに、今日は100球、次は50球とか、今日は全力、次は7〜8割の力で、と練習に強弱をつけることも大事です。そういう練習を、傾斜を使って続けることで、敵にも味方にもなってくれるマウンドの傾斜に対応する術を身につけておくことが、やがて自分を助けてくれるんです」

── 日本一を目指す今年のジャイアンツで期待の星をひとり挙げるとしたら?

「ひとりと言われれば横川凱(かい)投手かな。彼は大阪桐蔭から入団して3年目の左ピッチャーなんですけど、体格的にも恵まれていますし、なによりセンスがいい。バッターに投げる姿を見ているとマウンド捌きが抜群にうまいんです。これは教えてできることじゃない。春夏合わせて4度も甲子園に出て、3年の時には春夏連覇も成し遂げている。そういう大舞台を踏んできたことも大きいのかもしれません」

── 横川投手は20歳、桑田さんは球団史上最年少の20歳で開幕投手を務めました。

「いやいや、ジャイアンツには背番号18を受け継ぐ菅野(智之)くんがいますから。もちろん横川投手には、いずれ開幕戦を任される存在になってほしいですね」

── その菅野投手は、桑田コーチに決め球になるカーブを伝授してほしいと話していました。

「彼はほぼ完璧なピッチャーですからね。さらに上に行くために、2点、克服してほしいことがあるという話はしました。意識してこの2つのことに取り組めば、もう一つ、二つ、高いレベルのピッチャーになれるはずなんです」

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