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新人の長嶋一茂が八重樫幸雄にまさかの行動。「何事だ!」と杉浦享は激怒した (3ページ目)

  • 長谷川晶一●取材・文 text by Hasegawa Shoichi
  • photo by Sankei Visual

――八重樫さんと杉浦さんの関係は良好だったんですか?

八重樫 良好でしたよ。というか、ひとつ下の彼が遠慮していたんじゃないのかな? 彼は後輩にはどんどん指摘したり、小言を言ったりするタイプだったから、後輩たちには煙たがられていたと思いますよ(笑)。

――以前、杉浦さんから長嶋一茂さんについてのお話を聞いたことがあります。そのエピソードは八重樫さんも絡んでいるんですけど......。

八重樫 一茂が、僕の頭に手を置いたエピソードでしょ? ユマキャンプの時に、新人だった頃の一茂とペアを組んでストレッチをしていたんだけど、アイツ、僕の頭に手を乗せて、「よいしょ」って僕の肩に自分の足を乗せたんですよ。で、それを見ていた杉浦が、「先輩の頭に手を置くなんて何事だ!」って怒ったんです(笑)。

――そうです、その話です。大先輩の頭に手を乗せる新人っていうのも、なかなかすごい話ですよね。

八重樫 そうそう。僕自身は別に腹も立たずに、「コイツはこういうヤツなんだな」って思っただけだったのに、杉浦が怒ったんです。でも、僕の場合は一茂だったけど、最初に同じことをしたのが飯田(哲也)だった。飯田が若松(勉)さんの頭に手を乗せたんだよね(笑)。それが元祖。

【無尽蔵のスタミナを誇った長嶋一茂】

――ヤクルトOBの方にお話を聞いていると、長嶋一茂さんについてのエピソードもたくさん出てきます。八重樫さんにとって一茂さんの印象はどんなものですか?

八重樫 一茂が入団した時の監督が関根(潤三)さんだったでしょ。関根さんは長嶋(茂雄)さんとも仲がよかったから、「一茂を一人前にするぞ」って意気込んでいたのはよくわかりました。でも、僕らは普通の新人として、同じ仲間として接していたけどね。池山(隆寛)が入団してきた1984年ぐらいまでは先輩後輩の上下関係が厳しかったけど、一茂が入団してきた1988年ごろには、そのへんは緩くなっていました。

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