トラの新助っ人、気になる弱点。
韓国プロ野球関係者が語るマジの実力
昨季、コロナ禍の影響により十分な調査活動ができなかった各チームの「渉外担当」と呼ばれる外国人選手獲得のスカウトたち。そのため新外国人選手の獲得には、例年以上にリスクがついて回る。
そんななか、阪神は韓国プロ野球で昨シーズン好成績を収めた投打の2選手を獲得した。打者はメル・ロハス・ジュニア(外野手)、投手は右腕のラウル・アルカンタラだ。ともにチームは違うが複数年韓国でプレーしていたこともあって、ほかの選手よりも多くのデータがあったのかもしれない。いわば、リスクを最小限に抑えた獲得といえる。
昨年、韓国プロ野球で本塁打王、打点王の二冠を獲得したロハス・ジュニア では、日本でどの程度の活躍が見込めるのか? 韓国球界の関係者に聞いてみた。
まずロハスだが、ある球団のデータ担当者は「安定感があるのが特長」だと語る。
「彼はスイッチヒッターですが、左右ともスイングにブレがなく、柔らかい。理想のスイングをしているといっていいでしょう。強いて言えば、右のほうが打力は少し落ちます。だから場面によっては、ロハスの打席で右投手から左投手に交代させ、わざと右打席で打たせるように仕向けるチームがありました。ただ、その右打席も昨年はかなり成長していて、ホームラン数も増えました」
事実、昨シーズンの左右別の打率は、左打席の.340に対して右打席は.376と高い。
「韓国から阪神に行ったサンズやロサリオと比べても、打者としてのレベルは高いと思います。たとえば試合前の打撃練習でも、ただ遠くに飛ばして気持ちよくなるタイプではなく、バットをこねないようにリストの使い方を気にしながら1球1球センター方向に打つなど、意識の高さを感じます」(データ担当者)
別の球団のコーチは、ロハスのバッティングについてこう語る。
「対応力があります。アメリカにいた頃はどんなバッティングをしていたのか知らないが、韓国に来て野球がうまくなった印象があります。相手投手の配球を頭に入れて、失投を逃さないといったように、隙がない。簡単に外角の真っすぐでストライクを取りにいったらやられてしまいます」
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