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セ・リーグのクローザーに異変が続出。
岩瀬仁紀が追究したその原因 (2ページ目)

  • 中島大輔●文 text by Nakajima Daisuke
  • photo by Koike Yoshihiro

── どういう影響があるのですか。

「体のつくり方が難しいと思います。若い頃は馬力があるのでカバーできるんですよ。昔は馬力でカバーできたことを、ベテランになってくると技術でカバーしないといけない。球児は真っすぐで押すタイプなので、とくに力がないといけない。そういった部分が戻らないまま開幕してしまいました。でも試合を重ねていけば、だんだん調子を上げてくると思います」

── 藤川投手が「出鼻を挫かれた」という話がありましたが、シーズン序盤に波に乗れないと、その後の投球にも影響しますか。

「僕も毎年そうだったんですけど、去年残した成績が、シーズン開幕とともにゼロから始まるのはやっぱり難しいものです。シーズンの最初に打たれると、(登板イニングの少ない)リリーフ投手はどうしても防御率の数字が跳ね上がっちゃうじゃないですか。

 シーズンがしばらく経ってから打たれるのと、開幕してすぐに打たれるのでは、心理状態が全然違います。やっぱり、(防御率の)数字を見て落ち着くところがあるので......。それがシーズン序盤で打たれると、いきなり跳ね上がってしまうので、慌てた部分もあるでしょうね」

── DeNAの山﨑康晃投手も防御率7点台と苦しんでいます。投げている球は去年と比べてどうですか。

「ボールの質が違うように感じます。ツーシームが落ちなかったり、ボールが高かったり......。でも、そこは本人も原因はわかっていると思います。それよりも大きいのがメンタルの部分だと思います。結局、いかに自信を持って投げられるかですから。そこの部分でまだ自分のボールに信用できていないのかもしれないですね」

── 7月19日の巨人戦で1点リードの9回に登板し、同点にされるとイニングの途中で国吉佑樹投手に交代。次戦からクローザーを外れ、中継ぎで起用されています。山﨑投手が本調子を取り戻すためには、どういう起用法が望ましいですか。

「一番の理想は、ずっと9回のポジションで投げながら状態を戻すことです。ただし監督からすれば、クローザーを投入してゲームを落とすのは厳しい。監督は勝つことが仕事ですからね。いくら今まで投げて信頼を重ねてきたと言っても、簡単に崩れてしまうポジションでもある。だから、信頼というのは難しいんですよ。

 本人としても、去年までいくらいいピッチングをしてきても、今年連続してやられてしまうと、今までやってきたものが消されてしまうような感じになる。ゼロを下回って、マイナスにも感じているかもしれません。あらためてクローザーの仕事の難しさを感じていると思います」

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