セ・リーグのクローザーに異変が続出。
岩瀬仁紀が追究したその原因 (4ページ目)
── 巨人の中川皓太投手はデラロサ投手の戦線離脱を受け、セットアッパーからクローザーに配置転換されました。シーズン途中から抑えに回った投手が気をつけるべきことはありますか。
「同じでいいんです。セットアッパーから抑えになっても、気持ちは変わりません。逆に変えたら、ピッチングが変わってしまうかもしれない。とにかく、最初は経験値がないだけに、ガムシャラにいかないといけないでしょうね」
── ポイントになるのは、セーブシチュエーションで失敗したときにどう切り替えられるかですか。
「失敗した次の登板が一番大事です。たとえば2試合続けてやられてしまうと、今まで積み重ねてきたものが自分のなかで一気に砕けるというか。『今まではいったい何だったんだろう?』という感覚になってしまうので、打たれた次の試合は一番意識してやってきました」
── とくにどんな点を意識していましたか。
「最終的にはメンタルです。それまでは不安の気持ちなくマウンドに上がれていたのが、前の試合に打たれた記憶とか、いろんなことが出てきやすいので。いかに不安な気持ちを払拭して投げられるか、ですね」
── どのようにして不安な自分と向き合っていましたか。
「ピッチャーはよく、『マウンドにいったら、自分に勝つことだ』と言われます。まさにそんな感じですよね。不安な自分がいるところから、どうやったら自信を持ってマウンドに上がれるか。まずは自分が自分を信頼できないと、それはできないですよね」
── 深い言葉ですね。クローザーの大変さがよく伝わってきました。
「今はクローザーを固定できていないチームが多く、どこも苦しいところだと思います。どこも決め手がないですよね。でも逆に言えば、リリーフ陣を整備したチームが(上位に)上がっていくのではと感じています」
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