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【WBC 2026】日韓の野球格差はなぜ広がったのか? 投手力の衰退と外国人依存が露呈した韓国代表の現実

  • 木村公一●文 text by Koichi Kimura

 かつてWBCの舞台で日本を幾度も苦しめた「宿敵・韓国」の雄姿は、今や遠い過去の記憶となりつつある。2006年や2009年の黄金期をピークとするなら、現在の停滞ぶりは目を覆いたくなるほどだ。

 その深刻さは、今大会のチーム編成を見ても変わらない。打線は昨秋の日韓シリーズを上回る破壊力を秘めているものの、投手陣の層の薄さは否めない。

【大黒柱不在、実力不足を否めない投手陣】

 選出された先発陣の多くは、所属球団でローテーションの柱を担うタイプではなく、その脇を固めるクラスが中心だ。長いイニングを任せられるのは、本格派右腕の郭彬(クァク・ビン)、経験豊富な左腕・柳賢振(リュ・ヒョンジン)、変則右腕の高永表(コ・ヨンピョ)、そして蘇珩準(ソ・ヒョンジュン)らごくわずかに限られる。

 招集メンバーの先発陣に各チームの3、4番手クラスが目立つのは、KBO(韓国プロ野球)の各球団が1番手、2番手の役割を軒並み外国人投手に依存しているからだ。力でねじ伏せるタイプはおらず、球威、制球、変化球とすべてにおいて物足りなさを感じてしまう。

 リリーフ陣に目を向けても、各球団のセットアッパーやクローザー級を揃えてはいるものの、楽観視することはできない。

 強化試合では、同じ韓国リーグの控え主体、いわば「一軍半」クラスの打者に容易に打ち返される場面が散見され、調整不足を露呈している。抑えを務める朴英賢(パク・ヨンヒョン)にしても、国際大会で格上の打者と対峙するとなれば一抹の不安を拭いきれない。

 こうした窮状の背景には、主力級の故障が相次いだ不運もある。文棟柱(ムン・ドンジュ)や元兌仁(ウォン・テイン)、ライリー・オブライエンといった中心選手がエントリーから漏れただけでなく、現メンバーのなかにもヒジの違和感を訴える投手が出るなど、首脳陣の苦悩は深い。

 しかし、仮に文棟柱や元兌仁が万全の状態だったとしても、果たして日本を相手に通用したかどうかは疑問が残る。今の韓国球界における投手力の衰退は、寂しい限りと言わざるを得ない。

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著者プロフィール

  • 木村公一

    木村公一 (きむらこういち)

    獨協大学卒業後、フリーのスポーツライターに。以後、新聞、雑誌に野球企画を中心に寄稿する一方、漫画原作などもてがける。韓国、台湾などのプロ野球もフォローし、WBCなどの国際大会ではスポーツ専門チャンネルでコメンテーターも務める。

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