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【WBC 2026】日韓の野球格差はなぜ広がったのか? 投手力の衰退と外国人依存が露呈した韓国代表の現実 (2ページ目)

  • 木村公一●文 text by Koichi Kimura

現在、サンフランシスコ・ジャイアンツでプレーしている李政厚 photo by Getty Images現在、サンフランシスコ・ジャイアンツでプレーしている李政厚 photo by Getty Imagesこの記事に関連する写真を見る

【打線のカギ握るメジャー組の適応力】

 対照的に、野手陣には投手陣に比べて明るい材料が少なくない。昨秋の状態を再現できれば、「得点力不足」に陥る心配はないという手応えがある。

 とりわけ、金倒永(キム・ドヨン)、文保景(ムン・ボギョン)、安賢民(アン・ヒョンミン)といった長打力を期待できる打者たちは、いずれも調子を上げている。さらに、昨秋の日韓戦で大勢から同点本塁打を放った金周元(キム・ジュウォン)も健在だ。

 ここにメジャーリーガーのジャイアンツ・李政厚(イ・ジョンフ)、ドジャースの金慧成(キム・ヘソン)が加われば、一定の得点源として機能するだろう。ただし、主砲の盧施煥(ノ・シファン)が深刻な不調に苦しんでいる点は、大きな懸念材料だ。

 また、アメリカでプレーする韓国系選手についても、過度な期待は禁物だ。前回大会で沈黙したトミー・エドマン(ドジャース)の例もあり、今回新たに合流するシェイ・ウィットコム(アストロズ)やジャマイ・ジョーンズ(タイガース)が、どこまでチームにフィットするかは未知数である。彼らの適応力が、チームの得点力を大きく左右することになりそうだ。

 こうした戦力バランスを踏まえた韓国代表の戦略は、極めて現実的だ。エースの郭彬を、必勝を期す台湾戦に投入。先発に長いイニングを求めず、傷口が広がる前に「第2先発」からリリーフ陣を次々とつぎ込む継投策を想定している。

 韓国としては、台湾を下して米国での準々決勝進出さえ果たせれば、たとえ日本戦を落としたとしても、最低限のメンツは保てるという算段だろう。

 とはいえ、チェコや豪州を相手に確実に白星を拾える保証はない。とりわけ豪州戦は、試合の展開次第では、勝敗がどちらに転んでもおかしくない混戦が予想される。

【広がる日本との戦力格差】

 第2回WBC(2009年)を控えた頃だったろうか。当時、韓国代表を率いていた金寅植(キム・インシク)監督は、こう語っていた。

「日本は代表チームを組もうと思えば3つつくれるが、我が国はひとつしかつくれない。それが日韓の野球の差だ」

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