真中監督が思いを激白「小川泰弘の抑え。
あれが最後の勝負手だった」 (5ページ目)
―― チームはきっかけをつかむことができず、10連敗以上の大型連敗を2度も喫してしまいました。
「『やまない雨はない』とよく言いますけど......雨はやんだはずなのに、次の日もまだ雨だった。僕の引き出しも少なくなっていって......。監督である私が言ってはいけないのですが、正直、そういう心境でした」
―― 6月30日の阪神戦(甲子園)では、先発の小川泰弘投手をクローザーで起用する決断をされました。
「あそこが最後の勝負手でした。チームは低迷から抜け出せず、中継ぎ陣が崩れていたなかで勝てるゲームを何とかして拾いたかった。小川がリリーフに回るのは、チームとしても大きな動きです。野手も含め、『監督はここで手を打ってきたな。オレたちもやらなければ』となってくれたらという思いもありました。小川には大きな負担をかけてしまって、本当に悪いことをしました。クローザーは初めてでしたし、まだファームで調整中だったところをこちらの都合で見切り発車させてしまった。ただ、あの経験が、小川のこれからの野球人生に生きてくれればと願っています」
―― 起用法や采配に関して、批判や疑問の声も多くありました。
「選手やファンには失礼になってしまいますが、自分としてはすっきりした気持ちです。僕のなかでは、本当にやり尽くして、今の自分の引き出しはもうこれ以上ありませんという状態でした。やることをやって、結果が出なかった。『ここで辞めるのは、監督として悔いが残るんじゃないか』と言ってくださった方もいました。でも、今いるメンバーで精一杯戦った。その気持ちがあるので、すっきりしているんです」
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