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真中監督が思いを激白「小川泰弘の抑え。
あれが最後の勝負手だった」 (2ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • 甲斐啓二郎●写真 photo by Kai Keijiro

―― チームのスローガンであった"つばめ改革"の軸は、「選手の自主性に任せる」でした。

「自分たちで考えて動くことで責任感が生まれます。それが身につけば、スランプや壁にぶち当たったり、試合中に困難な場面に直したりしても乗り越えることができる。僕ら指導者は、いつまでも携わることができません。ひとりになっても困難を打破できる、強い選手を目指してほしいという思いがありました」

―― 戦術面では「バントをしない2番打者」を確立し、監督が構想した1番・山田哲人、2番・川端慎吾、3番・バレンティン、4番・雄平、5番・畠山和洋と並ぶ布陣は、本当に胸が躍りました。

「チームのバランスですよね。投手陣の防御率がよくなかったので、初回に1点を取って逃げ切る野球は難しい。初回からビッグイニングをつくれそうな攻撃スタイルがいちばん妥当ですよね。川端や雄平といったアベレージを残せそうな左打者がいたので、ピタッとはまれば攻撃的な面白い打線が組めるなと感じていました」

―― シーズンが開幕すると、5月には9連敗を喫するなど、最初は波に乗れませんでした。

「連敗さえ脱出すれば盛り返せるという手応えはありました。ピッチャーやバッターが崩れたのではなく、単に歯車がかみ合っていないのが問題でしたから。チームを立て直すプランはありました」

―― 選手たちは夏を乗り越え、9月には優勝争いに加わります。キャンプ中に「若い未知数のチームなので、それが爆発したら楽しみです」と語っていましたが、それが現実となりました。

「伸び盛りのチームでしたからね。選手たちも勝ちに飢えていて、1勝するとに勝つ喜びを知ることができた。しびれる試合を繰り返すことでその気持ちは大きく膨らみ、乗り越えることで自信となり、その自信があとあとの優勝が決まる直前の厳しい試合で生きましたよね。選手たちは1試合ごとに成長しているなと感じました。打線に注目が集まっていましたが、苦しい場面を投手陣の粘りやバックの守りでしのいで勝った試合も多かったですよね」

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