長田、加藤康、カラバイヨ...。
独立リーグ「選手兼コーチ」たちの想い (2ページ目)
冒頭の長田の言葉も、NPBというある種の"頂点"を知っているからこその言葉だろう。独立リーグは、あくまで上のリーグを目指す場所である。だから、そこでプレーしている限りはNPBを目指すべきなのだが、自分の置かれた現状を考えると、簡単に「NPBに復帰したい」と口に出せないこともわかっている。長田にとっては、自分自身を納得させるための独立リーグ入りだったのかもしれない。
ただ、NPBで不完全燃焼を感じ、BCリーグで新たな野球人生をスタートさせる者は少なくない。岩村が指揮を執る福島ホープスの加藤康介もそのひとりだ。
2002年のドラフトでロッテを逆指名(ドラフト2位)してNPB入りを果たし、14年間の現役生活で計4球団を渡り歩いた。2015年シーズン限りで阪神を戦力外となったが、昨年からBCリーグで兼任コーチとして現役を続けている。
昨シーズンは、リリーフとして33試合に登板し、防御率1.91という好成績を残し、今シーズンもここまで7試合に登板し、防御率0.00とその実力を見せつけている。
しかし、その加藤も今年で39歳。もはやNPBへの復帰は考えていないだろう。それでも、パフォーマンスは独立リーグという場では十分に通用する。さらなる高みを目指すことはないだろうが、プレーする場所がある限り、現役を続けようとするのも、アスリートとしての本能なのかもしれない。
「やっぱり高いレベルで続けたかったですから......」
そう語ったのは、現在、新潟アルビレックスBCでマネージャーをしている雨宮敬だ。
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