長田、加藤康、カラバイヨ...。
独立リーグ「選手兼コーチ」たちの想い (4ページ目)
このときも1シーズン限りに終わったが、昨年から再び兼任コーチとして群馬でプレーし、その打力をファンに見せつけている。カラバイヨも現在34歳。選手としてまだまだ現役でプレーできるが、2度も戦力外になっていることを考えると、NPB復帰の可能性は極めて低いだろう。
かつてオリックスでプレーした経験のあるカラバイヨ オリックスに復帰前、彼と食事する機会を持ったが、そのとき、堪能な日本語で現役には執着しない旨を口にしていた。その当時、カラバイヨは家庭のあるアメリカのニュージャージーで事業を起こしており、そちらの動向次第では、いつ現役を辞めても構わないと言っていた。
その後、彼の事業がどうなったのかは聞いていないが、昨年残した打率.345、20本塁打という数字を見れば、まだまだ現役でやっていける。そういう意味では、長田や加藤と同様、「体が動く限りは現役でプレーしたい」というのが本音なのだろう。ちなみに、今シーズンもカラバイヨは絶好調で、ここまで打率.333、11本塁打(リーグ1位)、27打点(リーグ2位)の好成績を残している。
彼らのようなNPB経験者が、独立リーグで指導者を兼任しながらプレーすることは、リーグのレベルアップとともに、若い選手たちの"生きた見本"となっている。岩村のように監督業との両立は難しいかもしれないが、コーチとしてなら自らが手本となり、指導できる。つまりは、独立リーグという場に利益をもたらすことにもつながるのだ。
その一方で、兼任コーチたちにとっても独立リーグでの指導経験は、その後の人生においてプラスに働くことは多いだろう。将来への備えの場として、独立リーグが機能している部分もある。
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