4連敗で借金生活。巨人は「捕手・阿部慎之助」のカードをいつ切るか? (2ページ目)
チームは開幕直後の好調さが消え、5月28日に10年ぶりの7連敗を喫するなど、停滞していた。「苦しい時にいられないのは歯がゆい」と阿部はもどかしさを感じていたが、できることは体調を万全に戻すこと。焦って一軍に戻り、また離脱してしまえば意味がない。
地道に体をつくっていった。もちろん、捕手として復帰できるように調整を重ねた。5月25日の二軍戦では、久々にDHで出場し「しっかり鍛錬してやりたい」と体力面の強化をまず口にした。
同28日の二軍戦ではDHで先発し、試合途中から捕手として出場。ようやくひとつのハードルを越える。翌29日にもDHで先発し、途中からマスクをかぶり、打撃では2本塁打を放った。バットで復調を示し、一軍合流が決まった。
二軍では捕手として2試合に出場したが、まだ体調が戻り切っていないと首脳陣は判断した。まずは打撃を生かすための一軍昇格で、DH、もしくは一塁手として出場し、まだ一度もマスクをかぶっていない。本人は「なるべく早く守りたい」と捕手に意欲を見せるが、交流戦中はこうした起用法が続くと思われた。
マスクをかぶらなくてもその存在感は大きく、長年の経験を生かしたアドバイスは投手陣を助ける。6月4日の日本ハム戦では一塁で先発。5―4の8回に、昨年3月28日以来の一軍となる西村健太朗が登板したが、先頭打者の陽岱鋼にシュートで死球を与えてしまう。そこから、西村は決め球のひとつであるシュートを投げにくそうにしていた。
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