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今季まだ1勝のみ。投手・大谷翔平に何が起きているのか? (2ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 岩本氏は、大谷のピッチング自体には「問題が起きているとは思っていない」と話す。

「結果は伴っていませんが、去年と変わらず強いボールを投げています。160キロも連発していますし、ここまでは順調にきていると思います。なにより故障せずにやっていることが、すごいことだと思います。ただ、ピッチングが去年と変わっていないところで......そこで苦しんでいるように思います。ピッチャーって、毎年、マイナーチェンジする必要があるんです。たとえば、球種の順番を変えたり、相手の嫌がるところで攻めるのか、それとも自分の強いところで攻めるのか......とか。そこの瞬時の選択判断の処理速度をマウンドで上げていかないといけません。今、大谷は高いレベルの壁にぶつかっている最中です。一流のピッチャーになるための関門を通過中で、投球術を学んでいる最中なんですよ」

 ところで、今シーズンの大谷の投球データを眺めていて目を引いたのが、ストレートの被打率だ。昨年は.206だったが、今年のストレートの被打率は.283と悪化している。岩本氏は、「今年は打者にうまくやられている試合が多いですよね」と言って、5月15日の西武戦(札幌ドーム)での試合を例に出した。

 大谷はこの試合で自己最速となる162キロを2度計測した。結局、160キロ以上の球は7球あったが、6回を投げて7安打、5四球、5失点で敗戦投手となった。

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