「とにかく焦るな」。リハビリに苦闘した斉藤和巳が松坂大輔に贈る言葉

  • 田尻耕太郎●文 text by Tajiri Kotaro
  • 時事通信フォト●写真 photo by Jiji Press Photo

 あの時は、前の年のオフからそればっかり考えてました(笑)。だけどダメだった。プレーオフでもソフトバンクが西武に勝ったし、2回目の沢村賞も獲った。最多勝も勝率も。これはかなりイメージがイイんちゃうかと期待したけど、結局大輔だと聞かされたときにはショックだったね。

 大輔は3つエラーしてたけど、オレはエラー0やった。そんな数字だけで判断されるものではないのもわかっているけど、結局はイメージでしかないんやなと、あの時はひねくれました(苦笑)。マスコミの投票で決まる賞ですし、「価値なんてない。こんな賞を目指した自分が恥ずかしいわ」って、しばらくはひねくれましたよ。懐かしいな。もう10年……。そうか10年も前か。

 あの後、ボクは肩を痛めた。07年は右腕が上がらなくて、試合で投げた後の2、3日は肩が亜脱臼していた。歩いているだけでパカパカ外れてましたから。でも、マスコミからは「100球しか投げられない。それなのに10日以上休んでる」と叩かれましたね。
 
 大輔もいろいろ周りから言われている。それってあまり好きじゃない。今のご時世にありがちな袋叩きっていうか。ボクも常にやられる方やったから、気持ちが分かる。痛みがわかるんよ。体の痛みも心の痛みも、分かんねん(笑)。でも、同情はしてないけどな。それだけの給料もらっとるわけやから。

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