2016.05.17

セ・リーグ最強「新・赤ヘル打線」はいかにして完成したのか?

  • 前原淳●文 text by Maehara Jun
  • 西田泰輔●写真 photo by Nishida Taisuke

現在、首位打者争いを繰り広げているエルドレッド

 広島で化学反応が起こっている。チーム打率.277、本塁打40本、得点211点はすべてリーグトップを誇り、2ケタ安打はすでに23試合を記録している。5月15 日現在、首位巨人から5位ヤクルトまでゲーム差4.5にひしめくペナントレースで、"赤ヘル打線"は他球団の脅威となっている。

 緒方政権1年目の昨季は、接戦を勝ち切れない戦いが目立った。打線の底上げは、就任2年目に向けた重要課題のひとつだった。新任の石井琢朗打撃コーチを中心に、同じく新任の東出輝弘打撃コーチ、迎祐一郎打撃コーチ補佐という、球団初の打撃部門3人体制が打撃好調の土壌となっている。

 打撃コーチ陣は三位一体で昨秋から打撃改革を行なってきた。昨秋のキャンプでは原点回帰。例年、フリー打撃が中心だった早出特打に素振りを取り入れた。ときには素手での素振りを行なうなど1日約2000スイングをノルマに、力強いスイングに立ち返った。

 シーズンを前にした春季キャンプでは、秋に固めた基礎の上に応用を加えた。フリー打撃ではケージによって状況に応じた打撃を求め、実戦を意識させた。今季、打者2~3巡目にあたる4~6回の得点が多いのも、3人の打撃コーチの洞察力とキャンプからの意識づけが実を結んでいるからだろう。

 開幕から4番に大砲タイプのエルドレッドではなく、中日から加入したルナを据えたことで、打線全体につなぎの意識が増した。