評価急上昇! オコエ瑠偉を本当に必要としているのはこの球団 (3ページ目)
一方、セ・リーグはどうか。外野手が充実しているのは筒香嘉智、梶谷隆幸がいるDeNAぐらい。リーグ4連覇を逃した巨人は5年後どころか、3年先の外野陣の顔すら見えてこない。しかもここ4年間、外野手のドラフト補強もない。正直、オコエだけじゃ足りないぐらい。もし残っていたら、勝負根性抜群の青山学院大の吉田正尚も獲りたいところ。巨人の補強ポイントは、実は外野手なのである。そこに気づいているのかどうか……。
今季、14年ぶりにセ・リーグを制したヤクルトも事情は同じ。山田哲人、川端慎吾が大ブレイクし、世代交代は順調に見えるかもしれないが、一軍、ファームとも期待できる外野手はいない。とはいえ、故障者続出の投手陣のことを考えれば、外野手補強は二の次か。
毎年、即戦力投手を中心にドラフト補強を行なってきた阪神。藤浪晋太郎という若きエースが育ったとはいえ、投手陣の高齢化は著しい。ということは、今年も即戦力投手ということになるのか……。
いや、違う。藤浪というチームを変えられる投手が存在する今だからこそ、今度は野手でその役割を担う選手が必要になる。そもそも、オコエがここまで評価を上げたのは、この夏の甲子園でのプレーがあったからだ。いわば“甲子園の申し子”である。
はっきり言って、近年のセ・リーグが面白くないのは、阪神が巨人に弱すぎるからである。「伝統の巨人、阪神戦」――そんな称号を与えられながら、長くプロ野球界の隆盛を支えてきた黄金カードにかつての“活力”が感じられない。そこからプロ野球の衰退が見えない形で始まっているとしたら……。
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