2015.10.05

驚異の成長力。大阪偕星学園・姫野優也を指名する球団は?

  • 谷上史朗●文 text by Tanigami Shiro
  • 大友良行●写真 photo by Ohtomo Yoshiyuki

ドラフト展望2015(2)

「夏もこれくらいリラックスして投げてくれたら、バンバンいかしてたんですけどねぇ」

 9月半ば、大阪府富田林市にある大阪偕星学園の練習グラウンド。後輩相手のシートバッティングで投げる姫野優也に視線を送りながら、山本皙(やまもと・せき)監督の通りのいい声に力がこもった。

約10カ月のブランクはあったが、高校通算26本塁打を放った大阪偕星学園の姫野優也

「いやぁ、やっぱりピッチャーでも楽しみがありますよ。軽く投げてもこれだけ球が来るんですから」

 その3週間ほど前に山本監督と話をした時は、「野手として魅力があります」と語っていたのだが、目の前で投げる姫野の球を見て、あらためてこの選手の持つ能力の高さに指揮官も舌を巻いた。

 今年の高校生外野手といえば、関東一高のオコエ瑠偉に注目が集まっているが、タイプは違うものの、この先の楽しみという点では姫野も負けていない。まだその力は、この夏、ようやく一端をのぞかせたという程度だが、余力たっぷりに高校生最後の夏を戦い抜いた姿を見ながら、姫野の底知れぬ可能性を感じたものだった。

 姫野は中学時代、硬式クラブチームのオール枚方ボーイズ(大阪)のエースとして活躍し、全国制覇3度の強豪・天理高へと進学した。しかし、当時の野球部の空気になじめず、夏に退学。しばらくアルバイト生活をしながら過ごしていたが、そんな時に手を差し伸べたのが大阪偕星学園だった。

 秋に編入し、グラウンドで練習できるようになったが、規定により公式戦には1年間出場できなかった。さらに、昨年の5月から再び約5カ月間、練習不参加の時期があった。つまり、実質2年半といわれる高校野球生活のうち、姫野は約10カ月が”空白”だった。体を鍛え、技術を磨く時間も、実戦経験も大きく足りないのは言うまでもない。それでも今、ドラフト候補としてプロから注目を集めているのだ。