2015.10.06

補強選手からドラフト候補へ。教習所教官・信楽晃史の指名はあるか?

  • 菊地高弘●文・写真 text&photo by Kikuchi Takahiro

ドラフト展望2015(3)

 10月22日に開かれる、プロ野球ドラフト会議。磨けば光るダイヤモンドの原石から、来年すぐ使えそうな即戦力まで、チームの未来を担う人材をめぐる、1年に一度の争奪戦が繰り広げられる。

普段は自動車教習所の教官として働く信楽晃史

 社会人野球選手は高校生、大学生よりも高いレベルで揉まれた「即戦力」級の実力を見込まれることが多い。しかし、一口に「社会人野球」といっても、名門企業チームから無名のクラブチームまで環境・レベル差は幅広い。なかには千載一遇のチャンスを生かした「シンデレラボーイ」も毎年のように出現する。ここでは、そんな一瞬の輝きで野球人生を変えた選手たちを紹介したい。

 毎年夏に東京ドームで行なわれる、社会人野球のビッグイベント・都市対抗野球大会。企業チームの選手の多くが「都市対抗の出場権が得られなければ、会社に顔向けできない」と語るほどプレッシャーを受け、予選で敗れたチームはこの世の終わりかと思えるほどの絶望感に襲われる。そして迎える都市対抗本戦、企業やクラブの威信をかけた大一番には、当然のように多くのプロスカウトが集結する。

 都市対抗には「補強選手制度」という特殊なルールがある。本戦への出場権を獲得したチームが、予選で敗退したチームの中から3人まで選手をレンタルできるのだ(2009年までは最大5人レンタルできた)。この補強選手という制度が、時に思わぬ好素材を世に送り出すことになる。