田中将大から則本昂大へ受け継がれた「1勝への執念」 (5ページ目)
これまでの則本は、“強い”ストレートを軸に、1年目はスライダー、2年目はフォークをウイニングショットとしてきた。そして今年は、チェンジアップを磨いてきた。そこには肩、ヒジに負担を掛けず、さらなる高みを目指そうという彼の向上心が垣間見える。3年目の進化は、まだ試行錯誤の段階だろう。それでも則本は、勝つためのジョーカーを何枚も隠し持っている。プレートの位置をさりげなく踏み換えるのも、切り札のうちの一枚だ。
勢いだけで勝ち続けているわけではない。追い風に乗っているときでも課題と向き合い、さまざまな工夫を凝らしてきた。その引き出しは、発展途上の則本に安定感をもたらす。だからこそ則本昂大は、田中将大のあとを受け継ぐに相応しい、イーグルスの“エース”なのである。
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