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オリックス森脇野球、18年ぶりVへ視界良好 (2ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 だが、ここまでのオリックスの快進撃を支えているのは、何といっても投手力だ。チーム防御率2.84は断トツの数字で、2点台は12球団でもオリックスだけ。先発ではエースの金子千尋が9勝(3敗)を挙げ、防御率1.97は堂々のトップ。また、6年目の西勇輝もハーラートップの11勝(4敗)をマーク。ふたりで13個の貯金を作るなど、盤石の二枚看板が完成した。

 そして、その先発陣よりも強力なのがリリーフ陣。炭谷はオリックスの強さについて次のように語る。

「オリックスにははっきりとした強みがあります。それは、ブルペン陣が安定していることです。対戦相手としては、序盤にリードされる展開にはしたくないですね」

 その言葉通り、今シーズンのオリックスは先制した試合では36勝8敗(勝率.818)と抜群の勝率を誇っている。

 冒頭で坂口が「毎年、すごい選手が揃っている」と言っていたが、なぜ今年になって勝てるようになったのか。数字以外の部分にも目を向けてみた。

「開幕から勝ちが続いたことが大きかったですね。貯金をうまく作れたことが自信につながり、選手たちもその気になってプレイできた。今まで、首位をキープできたことがなかったのですが、やっぱり勝つという結果がいちばん大事なんですかね」(坂口)

 ベテランの平野恵一は、「メンタルの部分が大きい」と言う。

「何より、チームが今の位置にいるのは、チーム内の競争が激しいことにあると思います。開幕前に森脇(浩司)監督は、『調子のいい選手を使う』と言っていて、実際にその通りの起用になっています。ペーニャも調子が悪ければ(スタメンから)外されますし、ヘルマンも守備で交代させられることもあります。いい意味で、選手たちに緊張感があります。今のオリックスは、戦う姿勢、そして結果を残さなければ試合に出られないんです」

 平野恵一の言葉にあるように、今年のオリックスは途中出場や、試合中の守備位置変更が多い。今季ここまで野手の途中出場は146機会あり、守備位置の変更は106回。この数字はともにリーグ断トツの多さである。ちなみに、オリックスと首位争いを繰り広げているソフトバンクは、途中出場は80機会、守備位置の変更は32回だから、森脇監督のゲームプランをうかがい知ることができる。

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