若き先発投手が揃う日本ハム、広島に巻き返しの予感

  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

吉井理人の投究論 第15回

ここまで6勝を挙げている広島のルーキー、大瀬良大地。ここまで6勝を挙げている広島のルーキー、大瀬良大地。

 オールスターも終わり、プロ野球は後半戦がスタートしました。パ・リーグはオリックスとソフトバンクの2強がこのまま優勝を争いそうな雰囲気ですが、クライマックス・シリーズ(CS)出場がかかった3位争いは混沌としています。一方のセ・リーグは、リーグ3連覇を目指す巨人が順調に首位を走っていますが、昨年のような独走ではありません。これからの戦い次第では、他のチームも十分にチャンスがあると思います。

 プロ野球には「夏場を制するものがペナントを制する」という格言があります。昨年も巨人が8月に16勝9敗と勝ち越し2位以下を大きく引き離しましたが、8月の戦いはシーズンを占う上で、ものすごく大事になります。

 これから先、チーム浮沈のカギを握るのが投手陣。なかでも、重要なのが先発です。なぜなら、彼らが頑張ることでリリーフ陣は余力を残してシーズン終盤の戦いに挑むことができるからです。逆に夏場、リリーフ陣を使いすぎてしまうと、勝負どころの秋に万全の状態で臨めません。とういうことで、今回は先発投手陣から見たペナントの行方についてお話したいと思います。

 まずはパ・リーグから見ていきたいと思います。現在、18年ぶりの優勝に向けて快進撃を続けているオリックスですが、チームを支えているのは間違いなく投手陣です。チーム防御率2.81は12球団の中でも断トツ。ただ、先発陣を見れば、不安がないわけではありません。

 エースの金子千尋はここまで9勝3敗、防御率1.74と抜群の成績を残していますが、疲労がたまっているということで登録を抹消し、登板を1回飛ばしました。あくまでも先を見据えた判断だと思うのですが、これまで金子は何度か故障した経験がありますし、どれぐらいの疲労なのか気になるところです。

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