検索

オリックス森脇野球、18年ぶりVへ視界良好 (3ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 解説者の山村宏樹は、今季のオリックスの特徴についてこう語る。

「投手では先発の金子、抑えの平野、打つ方でも糸井やペーニャと軸がしっかりしています。でも、彼らだけでなく途中から出場する選手がすごくいい働きをしています。たとえば、1点リードで終盤を迎えたら、迷いなく守備を固める。チームとしての戦いがはっきりしています。各選手がそれぞれの役割を把握していて、チーム全員で戦っている印象がありますね」

 今季、平野恵一は内野で64試合、外野で14試合に先発している。さらに試合中、外野から内野に守備位置を変更したのは10試合もある。

「今でも試合中に外野から内野にいくのは、やはり慣れません(笑)。ものすごく難しいです。でも、これをやらなければ競争の激しいこのチームでは生きていけない。そういうことなんです」

 実際にグラウンドで戦っている選手たちは、今季のオリックスの戦いについてどう思っているのか。ロッテの今江敏晃は次のように語る。

「いろんな選手が出ていますが、投打とも軸がしっかりしている。だから、チームとしての戦いがぶれない」

 炭谷も続く。

「試合中に守備位置が変更することは特に気になりません。ただ、僕が言うのもなんですが、今年のオリックスは駿太や原拓也を筆頭に、レギュラーでない選手たちがしっかり働いている印象があります。だから、途中出場する選手や、守備位置の変更が多くてもチームの総合力が落ちない。これがオリックスの強さではないでしょうか」

 チーム内の激しい競争が強固なチームワークを生んだのだろうか。平野恵一は力強くこう語る。

「試合前のアップを見てもわかると思うのですが、勝っても負けてもすごく明るい。じつは、シーズン前にチーム全員で意思統一を図ったんです。『誰かのせいにするのはやめよう』『モノのせいにするのはやめよう』と。お互いがカバーしあって、このメンバーで長く野球をしよう、と。選手たちは絶対に監督を胴上げしてやるという気持ちで戦っています」

3 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る