検索

大谷翔平のコメントから見て取れる「二刀流でサイ・ヤング賞獲得」への本気度とWBCへの強い思い (2ページ目)

  • 奥田秀樹●取材・文 text by Okuda Hideki

【WBCへの強い意欲は変わらず】

 加えて大谷は、野球という競技のなかで投手が担う役割の重要性についても、強く意識している。

「緊張感という点では、マウンドにいると間違いなく(打席に立っている時よりも)大きい。ひとりで試合を台無しにしてしまうこともあるし、同時に勝利に最も大きく貢献できるポジションでもある。だから、私のなかでピッチャーというのは、本当に特別な役割だと感じています」

 その言葉には、投手としての責任と覚悟がにじむ。MLB移籍後、大谷は右肘を2度、左肩を1度、計3度の大きな手術を経験してきた。リスクだけを考えれば、打撃に専念するほうが安全だという見方もある。しかし、大谷はそうは考えない。二刀流について問われると、「引退するその瞬間まで、やり続けるのがベストだと思う」と、迷いなく言いきった。

 2026年、大谷は二刀流を続けながら、投手としてサイ・ヤング賞を狙い、ドジャースの3連覇に貢献する――。その目標は途方もない。だが、これまで彼が積み重ねてきた歩みを振り返れば、決して絵空事ではない。

 会見では、2026年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)についての質問も多く出た。前回大会(2023年)でMVPに輝いた大谷は、あらためて大会への思いを口にしている。

「アメリカだけじゃなく、各国にすばらしい選手がいて、すばらしいチームがある。そのなかで、日本を代表していろいろな選手と対戦できるのは、非常にいい経験になると思います。ワールドチャンピオンとは別に、大きな大会のひとつとして、今も、そして今後も重要になっていくのではないでしょうか」

 2026年は、開幕から二刀流で復帰する予定だ。直前に行なわれるWBCへの出場はリスクにならないのか。そう問われると、率直な思いを明かした。

「WBCにはずっと出たい、選ばれたいと思っていました。前回が初めての出場でしたが、それまではタイミングが合わず、気持ちとは裏腹に出られなかった。前回は本当にすばらしい大会でしたし、来年はそれ以上になるんじゃないかなと思います。選ばれること自体が光栄なので、楽しみにしています」

 一方で、役割や起用法については慎重な姿勢を崩さない。

「起用法については、まだわからないというか、コミュニケーションを取らないといけないので何とも言えません。投げる、投げないに関わらず、何通りかのプランを持っておくべきだと思っています。ドジャースと話をしながら、WBC後のキャンプをどういう形で入っていくのがいいのか、プランに沿って選んでいければと思います」

 WBCで投手として登板するなら、調整は早めに始めなければならない。一方で、ドジャースの主戦投手として10月末まで投げ続ける可能性も念頭に置く必要がある。2026年は32歳になるシーズン。その判断は簡単ではない。

2 / 3

キーワード

このページのトップに戻る