【MLB】「日本の有望株はこっちに来たほうがいい」 24歳のオールドルーキー・福田真啓がドミニカアカデミーで体感した育成最前線 (2ページ目)
バイキング形式の食事はサンコーチョという中南米流のシチューや、モロという豆のご飯が好物だ。チキンやサーモンなどタンパク質に加え、サラダバーも栄養を考えて食べている。
以上の環境は、日本で独立リーグに所属していた頃から大きく変わった点だ。MLB球団にとってアカデミーの選手は資産という位置づけで、上のカテゴリーに昇格させられなければ"金食い虫"で終わってしまう。だからこそ、しっかり育てようと取り組んでいるのだ。
【2度目のトライアウトでレンジャースに入団】
福田が日本で所属した徳島インディゴソックスも、ウエイトトレーニングを重視することで知られるが、ドミニカに来てMLBとの違いを感じるという。
「徳島は個人個人でやっている部分が多いですね。こっちはプログラムがしっかり組まれています。専用のアプリがあって、『今日はこれとこれ』って全部1週間ごとに決められています。僕は先週まで中継ぎで3イニングずつ投げていたので、その間にトレーニングとかヨガの頻度、オフの日が全部プログラムに書かれています」
七、八軍から成るMLB球団の特徴は、綿密な組織構造で選手を育てようとしていることだ。そう実感するからこそ、福田は「日本の有望株はこっちに来たほうがいい」と言う。
一方、彼自身は日の当たらない道を歩んできた。広島の英数学館高校から東海大学に進学するも、部員の大麻使用により無期限活動停止となり、1年で中退。徳島、信濃グランセローズでそれぞれ2年プレーした。
信濃では2023年に26試合で防御率1.32、2024年は29試合で防御率1.78と好成績を残したが、NPBのドラフトで指名されることはなかった。
「ドラフトにかからなかったら、ドミニカに来てトライアウトを受けてみたら?」
信濃の先輩で、現在は同国で日本人選手を見ている島袋涼平トレーナーに誘われて新たな挑戦を決めた。2025年2月にジャパンブリーズでカリビアン・シリーズに参加したあと、4月頭にドミニカで最初のトライアウトを受けた。
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