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【MLB】「日本の有望株はこっちに来たほうがいい」 24歳のオールドルーキー・福田真啓がドミニカアカデミーで体感した育成最前線 (3ページ目)

  • 中島大輔●文 text by Nakajima Daisuke

今後はウインターリーグに参加予定の福田真啓 photo by Ryu Voelkel今後はウインターリーグに参加予定の福田真啓 photo by Ryu Voelkelこの記事に関連する写真を見る「こっちの子は数えきれないぐらいトライアウトを受けるらしいです。自分はテキサスの2回目で契約が決まりました」

 逆に言えば、1回のトライアウトで合格が決まることは珍しい。同じ選手の好不調をともに見たうえで、可能性を掘り下げる必要があるからだ。

 福田の場合、6月中旬にレンジャーズの2度目のトライアウトを受け、入団が決まった。
 なぜ、NPB経験のない当時23歳の投手が契約をオファーされたのだろうか。

「詳しくは伝えられてないですけど、変化球の回転数を評価されたのかなと思います。スライダーは3000回転していて、MLBの平均を大幅に上回っています。カーブもカットボールも2800、2900回転とかするので、そこが評価されたのかなと思っています」

 切れ味鋭い変化球を誇る一方、課題はフォーシームだ。

「日本にいる時も、『球速がもうちょっと上がれば』と言われていました。独立リーグで4年間過ごして、成績自体はけっこうトップのほうだったけど、球速が上がらず、何かを自分のなかで変えないといけないなって。シーズンを戦いながらスピードを上げられなかったので、こっちで思いきり鍛えて、トライアウトを受けて勝ち取ろうと思いました」

【いつクビを切られるかわからない】

 ドミニカでレンジャーズとの契約が決まるまでに重点的に行なったのは、強度の高いトレーニングと、投球メカニクスで速く動くことだ。

 その成果はすでに感じている。日本では常時143キロ程度、最速148キロだったのが、ドミニカに来て常時140キロ台後半に上がり、最速151.3キロを計測した。

「上で通用するためには、球速帯をもうちょっと上げないといけないですね。そこを上げることによって、バッターの対応も鈍くなると思うので。自分の得意な変化球との組み合わせでバッターを圧倒することによって、次のステップにいけるのかなって思います」

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