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新庄剛志、井川慶、藤浪晋太郎...阪神選手5人が「メジャーで残した足跡」 青柳晃洋は果たして? (2ページ目)

  • 宇根夏樹●取材・文 text by Une Natsuki

【井川慶がヤンキースに残したもの】

 新庄に続く阪神選手ふたり目の藪は、メジャーリーグで2シーズンを過ごし、リリーバーとして計100試合に登板した。1シーズン目は40登板の58.0イニングで防御率4.50、2シーズン目は60登板の68.0イニングで防御率3.57を記録している。

 ただ、この2シーズンは、2005年のオークランド・アスレチックスと2008年のジャイアンツだ。2006年は開幕直前にコロラド・ロッキーズから解雇されてメキシカン・リーグで投げ、2007年はどの球団にも在籍することなく過ごすアメリカ生活だった。

 3人目の井川は、2006年のオフにポスティングシステムを利用してニューヨーク・ヤンキースに入団した。ヤンキースは2600万194ドルの入札額で独占交渉権を得て、井川と5年2000万ドルで契約している。当時のポスティングシステムは、最高入札額の球団だけが選手と入団交渉を行なうことができた。

 井川と同じオフにメジャーリーグへ移籍した松坂大輔(西武ライオンズ→ボストン・レッドソックス)の入札額5111万1111ドルと6年5200万ドルの契約には及ばないものの、タンパベイ・レイズに入団した岩村明憲の入札額455万ドルと3年770万ドルの契約と比べると、ヤンキースが井川に寄せていた期待が小さくなかったことがわかる。

 けれども井川は、阪神に少なからぬ入札金をもたらしたものの、ヤンキースの期待には応えられなかった。2007年〜2008年に71.2イニングで防御率6.66を記録し、その後の3シーズンはチャンスを与えられることもなく、傘下のマイナーリーグで投げた。

 井川を手に入れたヤンキースは、43歳のランディ・ジョンソンをトレードでアリゾナ・ダイヤモンドバックスへ放出していた。そのジョンソンは2007年〜2008年の計240.2イニングで防御率3.89を記録している。ヤンキースが交わした契約を振り返る記事において、井川との契約は、今でもワースト10やワースト5にランクインする。

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