菊池雄星がブルージェイズを離れる可能性大 パドレス移籍でダルビッシュ有とワールドシリーズ出場の夢も (3ページ目)
【2017年のダルビッシュも移籍年にWS出場】
パドレスはシースとの交換に、若手3人(と他1人)を放出した。今もホワイトソックスがほしがり、なおかつパドレスが手放してもいい若手が残っているのかどうかについては、疑問符がつく。
たとえば、今年メジャーデビューした21歳のジャクソン・メリルを含む数人を放出すれば、クロシェを入手できるかもしれない。だが、そうすると本末転倒になりかねない。メリルは早くもセンターに定着し、先月中旬からはパワーも発揮し始めている。今シーズンのみならず、その先もパドレスには不可欠な選手だろう。
これまでに、7月のトレードで「売り手」から「買い手」のチームへ移った日本人選手は何人かいる。
2007年の井口資仁(ホワイトソックス→フィラデルフィア・フィリーズ)、2011年の福留孝介(シカゴ・カブス→クリーブランド・インディアンズ)と上原浩治(ボルチモア・オリオールズ→テキサス・レンジャーズ)、2012年のイチロー(シアトル・マリナーズ→ニューヨーク・ヤンキース)、2017年のダルビッシュ(レンジャーズ→ドジャース)、昨年の藤浪晋太郎(オークランド・アスレチックス→オリオールズ)もそうだ。今年の菊池も、移籍先はパドレスではないかもしれないが、そこに加わるに違いない。
彼らのうち、移籍した年にワールドシリーズ出場を果たしたのは、2017年のダルビッシュしかいない。現在の菊池と同じく、当時のダルビッシュも契約最終年だった。2011年のレンジャーズはワールドシリーズまで勝ち上がったが、上原(と建山義紀)はシリーズに出場していない。ふたりともリーグ・チャンピオンシップ・シリーズでは登板したものの、ワールドシリーズのロースターには入らなかった。
2011年のレンジャーズも、2017年のドジャースも、3勝3敗で迎えたワールドシリーズ第7戦に敗れた。今年、菊池が移籍を経てワールドシリーズに出場すれば、それがどのチームであれ、日本人選手ではダルビッシュに続くふたり目、ワールドシリーズ優勝なら初のパターンとなる。
著者プロフィール
宇根夏樹 (うね・なつき)
ベースボール・ライター。1968年生まれ。三重県出身。MLB専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランス。著書『MLB人類学──名言・迷言・妄言集』(彩流社)。
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