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菊池雄星がブルージェイズを離れる可能性大 パドレス移籍でダルビッシュ有とワールドシリーズ出場の夢も (2ページ目)

  • 宇根夏樹●取材・文 text by Une Natsuki

【パドレスが菊池雄星をほしがる理由とは...】

 今シーズン、菊池は先発18登板で94.0イニングを投げ、防御率4.12を記録している。この防御率からすると、ローテーションの3番手としても少し物足りない気はする。

 しかし昨シーズンは、前半の18登板が防御率4.24(93.1イニング)に対し、後半の14登板は防御率3.39(74.1イニング)と好転させてきた。昨シーズン後半のピッチングを再現できれば、エースとまではいかなくとも、3番手はもちろん2番手にもなり得る。

 昨シーズンの前半と後半、そして今シーズンここまでの奪三振率は9.26→10.29→9.38、与四球率は2.60→2.54→2.20、9イニング平均の被本塁打は2.12本→0.61本→1.24本と推移している。スタットキャストによると、菊池が今シーズン投げたフォーシームの平均球速は95.7マイル(時速約154キロ)。これは過去の各シーズンの数字を上回っている。

 菊池に興味を示すチームは、決して少なくないはずだ。そこにサンディエゴ・パドレスが含まれていても、おかしくない。

 パドレスは現在49勝43敗。ナ・リーグ西地区ではロサンゼルス・ドジャースに7ゲーム差と水を開けられているものの、ワイルドカードの2番手に位置している。

 本来ならパドレスで先発3本柱を形成するはずの投手のうち、ダルビッシュ有とジョー・マスグローブは離脱していて、いつ復帰できるのかまだわからない。あとのひとり、3月中旬にシカゴ・ホワイトソックスから獲得したディラン・シースは、今シーズンこれまで18登板で防御率4.24だ。期待に応えているとは言いがたい。

 シースに続き、ホワイトソックス(現在ア・リーグ中地区で最下位)からギャレット・クロシェを手に入れれば、大きなプラスになるだろう。もっとも、クロシェを獲得するにはシース以上の見返りが必要だ。

 彼らがFAになるのは、シースが2025年のオフ、クロシェは2026年のオフ。年齢もクロシェのほうが若く、まだ25歳だ。さらにクロシェは18登板で防御率3.02を記録しているだけでなく、奪三振率12.52は先発投手のトップに位置し、与四球率も1.78と優秀だ。

 それに対し、菊池のようにFAまでに保有できる期間が短く、数カ月の「レンタル」という形になる選手であれば、そこまで大きな見返りを求められることはない。

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