大谷翔平と真っ向勝負できるブルージェイズ先発陣 菊池雄星との花巻東高「先輩後輩対決」筆頭にすべてが見どころに (4ページ目)
【復調気配のガウスマンも手強い相手】
4月28日の第3戦はケビン・ガウスマン(33歳)だ。2023年はサイヤング賞投票で3位、237奪三振はア・リーグトップだった。メジャーリーグきってのスプリッターの使い手で、フォーシームとスプリッターのリリースポイントも軌道も、ボールの回転軸もほぼ同じ。ゆえに打者は見分けがつかない。速度差は約10マイル(16km)、途中からフォーシームより60cm近く落ちるが、途中でバットは止められない。
大谷は過去3度対峙している。2度目の対戦となった2021年6月23日の試合、大谷は二刀流での出場で、投手では6回を6安打1失点、9奪三振と好投したが、打席ではガウスマンのスプリッターに一ゴロ、空振り三振、空振り三振と完全に抑えられた。
「すばらしい打者だから、自分のベストの投球を心掛けた。投手有利なカウントに持っていくことができ、いいボールを投げることができた」
試合後に笑みを浮かべながら振り返ったガウスマンは、2022年からブルージェイズに移籍すると、2023年7月28日に再対決。第1打席、初球低目のフォーシームを完ぺきにとらえ右越え本塁打、2打席目はスプリッターに空振り三振、3打席目は外角低めボールになるスプリッターに手を伸ばし、左前に落とした。ふたりの対戦成績は通算で9打数2安打、5三振、打率.222だ。
ガウスマンは今年、春季トレーニング中に肩の疲労が出て調整不足。開幕から最初の3試合は防御率11.57の不振だった。しかし4試合目のヤンキース戦は5回1失点、5試合目のカンザスシティ・ロイヤルズ戦も7回途中まで3失点(自責0)と、今季0勝3敗ながら調子を上げてきている。
大谷との4度目の対決は、いかに?
著者プロフィール
奥田秀樹 (おくだ・ひでき)
1963年、三重県生まれ。関西学院大卒業後、雑誌編集者を経て、フォトジャーナリストとして1990年渡米。NFL、NBA、MLBなどアメリカのスポーツ現場の取材を続け、MLBの取材歴は26年目。幅広い現地野球関係者との人脈を活かした取材網を誇り活動を続けている。全米野球記者協会のメンバーとして20年目、同ロサンゼルス支部での長年の働きを評価され、歴史あるボブ・ハンター賞を受賞している。
【写真】大谷翔平の全試合を現地観戦する「ミニタニ」
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