イチローがマリナーズの球団殿堂入り。安打量産の契機はMLBで出逢った「最高のノッカー」 (4ページ目)

  • 石田雄太●文 text by Ishida Yuta
  • photo by Taguchi Yukihito

 メジャー11年目、イチローは184本のヒットを打った。つまりその年で、連続での200安打の記録は途切れた。その後、2019年に引退するまでの8シーズン、イチローは200本のヒットを打つことはできなかった。

 しかし、ヤンキースのユニフォームを着ても、マリーンズへ移っても、そしてマリナーズへ復帰してからも、チームのなかでどんな立ち位置であったとしても、イチローは200本のヒットを打つことを目指していた。その結果、イチローはメジャーで3089本のヒットを打ち、マリナーズでは球団史上最多となる2542安打を記録した。日本人選手として初めてとなる球団殿堂入りを果たしたのは、そんな積み重ねの賜物だ。

 ノックの打球にギリギリ届いてしまうイチローは、途切れるまで、そして途切れてもなお、この数字を目指していた。それは"200安打"という名ノッカーに出逢ってしまったがゆえの、イチローの宿命だったのかもしれない。

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