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指導者イチローとのほっこり秘話。
日系ブラジル人のマイナー選手が語る (3ページ目)

  • ブラッド・レフトン●文 text by Brad Lefton
  • photo by Taguchi Yukihito

 オモサコがイチローのことを知ったのは8歳の時、2009年のことだった。ブラジル代表は参加していないにもかかわらず、第2回WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)の日本対韓国戦の決勝戦をテレビで見ていた。延長10回にイチローが放った決勝点となる2点タイムリーヒットは、今でも覚えているという。

 オモサコはブラジルにあるヤクルト・スワローズのアカデミーで本格的に野球を教わり、技術を磨いた。2018年にマリナーズが主催したブラジルでの"マリナーズカップ"でスカウトの目に留まり、契約書にサインすることになった。

 翌年からドミニカ共和国にあるマリナーズのアカデミーに入り、アメリカでのキャンプは今年が初めて。オモサコはマイナーの選手だが、メジャーと同じ施設を使うため、イチローとの練習が実現したのだ。

「打ちたいと思った時に、イチローさんがそこにいたのでチャンスだと思いました。彼はたくさんの知識を持っており、私は勉強しなければならない立場です。そう考えれば、声をかけないともったいない。聞きたいことはいっぱいありますが、その日は投げてもらっただけでした。長いキャリアのなかで、毎日同じことを貫けた理由は何か......。実績を残すにあたって、グラウンド上での活躍はもちろんですが、グラウンド外ですべきことは何か......。なにより、イチローさんのマインドを知りたいです」

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