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指導者イチローとのほっこり秘話。
日系ブラジル人のマイナー選手が語る (2ページ目)

  • ブラッド・レフトン●文 text by Brad Lefton
  • photo by Taguchi Yukihito

 イチローに投げてもらったオモサコは、次のように感想を述べた。

「緊張しましたが、最高の経験でした。イチローさんはとてもいい球を投げてくれました。でも正直なところ、春先の打撃練習で打つボールとしてはちょっと速すぎました。私はほとんど日本語がわからないですし、英語も勉強中なのであまり会話を交わしませんでしたが、『打ちたいと思ったらいつでもどうぞ』と言ってくれました。とても親切でした。次の日もお願いしようと思いましたが、見つかりませんでした(笑)」

 サッカー大国・ブラジルでは、野球はあまり知られていない。いわば、マイナースポーツだ。そんななか、オモサコが11歳の時、初めてブラジル出身のメジャーリーガーが誕生した。2012年にトロント・ブルージェイズで捕手兼内野手として出場したヤン・ゴームズだ。昨年もワシントン・ナショナルズの捕手として世界一に大きく貢献した。そのゴームズを含め、昨年メジャーでプレーしたブラジル出身の選手は3人。

 もちろん、オモサコにとってそれらのブラジル出身のメジャーリーガーはヒーローだが、日本の野球からも大きな影響を受けている。

「ミツオ(光男)じいちゃんは熱狂的な野球ファンです。僕が小さい頃、いつも『野球をやってみたら』と言っていました。いざ野球を始めると、日本とすごくつながりがあることがわかりました。ブラジルに野球を広めたのは日本人で、日本の野球についてもよく話題に上がります。だから、イチローさんのことも知っています。野球をやっているブラジル人はまだ少ないですが、みんなイチローさんのことが大好きです」

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