超大物選手の移籍で勢力図が一変。
今季のメジャーを小島圭市が解説 (5ページ目)
今シーズン、完全復活に期待がかかるダルビッシュ有ナ・リーグ中地区
昨シーズンはミルウォーキー・ブルワーズとシカゴ・カブスの1ゲーム差で首位争いが決着し、序盤の失速が響いたセントルイス・カージナルスも8月以降に盛り返すなど大激戦でしたが、今年もこの3チームによる熾烈な優勝争いが繰り広げられそうです。
なかでも注目しているのが、カブスです。ダルビッシュ有が普通に投げて、10勝以上挙げることができれば優勝はグッと近づくと思います。このオフ、投打ともに大きな補強がなかったのは、それだけ現有戦力で戦えると判断したからでしょう。ただ不安を挙げるとすれば、選手の高齢化。とくに先発陣はジョン・レスターが35歳、ダルビッシュが32歳、コール・ハメルズが35歳......抑えのペドロ・ストロープも33歳。経験、実績は十分ですが、大きな上積みは期待できません。活きのいい若手が出てくれば、世代融合したすばらしいチームになると思います。
昨年、地区優勝のブルワーズは、数年前から再建していて、ようやくいい方向にチームが進み始めました。超大物がいるわけではないですが、ロレンゾ・ケインやクリスチャン・イェリッチといった仕事人タイプの選手が多く、隙のない印象のあるチームです。先発陣にやや不安がありますが、コリー・クネイベル、ジョシュ・ヘイダー、ジェレミージェフレスのブルペン陣は強力ですので、リードしてつなげる展開に持ち込めれば、自然と勝ち星は増えていくはずです。
カージナルスは若手が順調に育ち、オフにはポール・ゴールドシュミットを獲得するなど、打線に厚みが出てきました。投手陣は、マイルズ・マイコラスが昨年最多勝を獲得するなど劇的なメジャー復帰を果たし、球界最速クローザーのジョーダン・ヒックスも健在。また、故障続きのマイケル・ワカもオープン戦では好調をアピールするなど、明るい話題が多いのも好材料です。カブス、ブルワーズと互角に戦える戦力は揃っています。
ピッツバーグ・パイレーツは、投手力はあるのですが、攻撃陣に不安があり、上の3チームと比較すれば戦力不足は否めません。シンシナティ・レッズも同様で、ヤシエル・プイーグを獲得しましたが、大きくチームが変わるとは思えません。ともに3位までならチャンスはあると思いますが、優勝争いは厳しいでしょうね。
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