超大物選手の移籍で勢力図が一変。今季のメジャーを小島圭市が解説 (4ページ目)
大争奪の末、フィリーズへの入団が決まったブライス・ハーパーナ・リーグ東地区
ロナルド・アクーニャJr.やオジー・アルビーズといった若手が急成長を遂げ、昨シーズンは下馬評を覆し5年ぶりに地区優勝を果たしたアトランタ・ブレーブスが、今年も本命になると思います。ただキャンプ中、投手陣に故障者が続出して、とくに先発は若手に頼らざるを得ません。メジャーでの実績が乏しく、未知の部分は大きいですが、若手投手陣が機能すれば、とんでもなく強いチームになるのではと期待してしまいます。いずれにしても近い将来、ワールドシリーズ制覇を狙えるチームになると予感しています。
このオフにブライス・ハーパーをはじめ、打てる捕手のJ.T.リアルミュート、元MVPのアンドリュー・マカッチェン、世界一経験者である抑えのデビッド・ロバートソンなど、大補強を敢行したフィラデルフィア・フィリーズ。これだけの選手が集まれば戦力アップは確実と言いたいところですが、そう簡単にいかないのが野球の難しさです。新戦力が期待どおりの活躍をしてくれればリーグ優勝はおろか、リーグチャンピオンシップ、ワールドシリーズの可能性もありますが、まずはどんな野球をするのか。そこに注目したいですね。
同じく大補強を行なったニューヨーク・メッツは、ロビンソン・カノ、ウィルソン・ラモスを獲得し、打線を強化。また、メジャー屈指のクローザーであるエドウィン・ディアズも加わり、ブルペンも劇的に変わった。そして先発には昨年のサイ・ヤング賞投手、ジェイコブ・デグロムもいる。選手の名前だけを見ればワールドシリーズ制覇も夢ではない布陣ですが、故障者が多く、まだチームとして成熟していないという不安があります。
昨年地区2位のワシントン・ナショナルズは、フアン・ソト、ビクター・ロブレスといった20代前半の野手が成長。その一方で投手陣は、マックス・シャーザー、スティーブン・ストラスバーグなど、経験豊富な先発陣が揃い、バランスのいいチームです。フィリーズやメッツに比べて、派手な補強こそありませんでしたが、地味に底上げをしている印象があります。
ナ・リーグ東地区は、マイアミ・マーリンズ以外、すべてのチームに優勝の可能性がある大激戦地区です。シーズンに入ってからの戦いはもちろんですが、7月末のトレード期限までどんな補強をしてくるのか。そこからの目が離せないですね。
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