イチローが「勝敗に関係なく打ちたかった」
シアトル凱旋弾への想い (6ページ目)
次にいつ来ることになるかわからないシアトルで、思い出のタイカレーを食べようと思ったら、その店はすでに撤退してなくなっていた。あのシロクマのようなでっかい店長は、今ごろ、どこでどうしているのだろう。時は確実に流れている。しかしそんな時間軸に逆らうかのように、イチローは変わらず、今も投げて、走って、打っている。
まさに千両役者。
衰えることを知らない年齢不詳のプレーヤーだということを、特別な街、シアトルで、イチローは改めて満天下に示してみせたのである──。
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