顔が怖い23歳がバレンズエラ級の快投。
ア・リーグに驚異の新人現る (6ページ目)
そのピッチングの核となっているのは、全投球内容のうち約9割を占めるシンカーです。しかも、ブリットンの投げる時速95~98マイル(約152.8~157.6キロ)の高速シンカーは、そのほとんどがコース低めのボールで、高めに浮いた球はまったくありません。
ブリットンの主戦場とするア・リーグ東地区は、レッドソックスやブルージェイズ、ヤンキースといった強打をウリとするチームばかり。そんな地区において、これほどの数字を残せるのは驚きでしかありません。「ブリットンこそが今年のサイ・ヤング賞だ」という声もあり、リリーフ投手として受賞すれば、ア・リーグでは1992年のデニス・エカーズリー(当時オークランド・アスレチックス)以来の快挙となります。はたして、サイ・ヤング賞が獲れるのかどうか、ブリットンのピッチングからも目が離せません。
※数字は8月23日現在
著者プロフィール
福島良一 (ふくしま・よしかず)
1956年生まれ。千葉県出身。高校2年で渡米して以来、毎年現地でメジャーリーグを観戦し、中央大学卒業後、フリーのスポーツライターに。これまで日刊スポーツ、共同通信社などへの執筆や、NHKのメジャーリーグ中継の解説などで活躍。主な著書に『大リーグ物語』(講談社)、『大リーグ雑学ノート』(ダイヤモンド社)など。■ツイッター(twitter.com/YoshFukushima)
6 / 6